不動産は高額な買い物になりますから、ローンを組んで購入する方が多いです。
完済までローンを支払うことができれば良いのですが、中には生活の変化などを背景に、ローン支払いが厳しくなって、途中で売却を検討する方もいます。
今回紹介する芹沢さん(60代・男性)もその一人です。

今回は芹沢さんの体験談を通じて、ハワイで不動産を売却する場合、またハワイで不動産を高く売る場合は、どのようなところがポイントとなるのかを紹介していきます。
ハワイで不動産を購入する方は、芹沢さんのお話も参考に、「いざという時に売却する可能性」も考えて、不動産選びを行いましょう。

ハワイに物件を持っていたがローン支払いが滞り売却へ

私は日本のいわゆる大手企業で先日まで管理職をやっておりました。
共働きであったこともあり、世帯年収は世間一般の感覚からすれば、それなりの水準だったと思っております。

つい6年ほど前でしょうか。
子供が独立した直後に、余剰資金があったので、ハワイの不動産投資に挑戦してみたところでした。

しかし、私の職場は60歳で役員以外の役職が解かれてしまうため、私も部長職ではなくなってしまい、年収は40%ほど下がりました。
それだけならまだ何とかなったのですが、妻も体力面を理由に仕事を先日辞め、また自宅のリフォームで少々資金が必要になる状況になりました。

全てを勘案すると、今後ローンの支払いが難しくなることが想定されました。
致命的な状況になってはまずいので、ローン支払いを回避するために、やむを得ず、ハワイの所有物件を売却することにしたというわけです。

カカアコ地区に物件を所有。運用状況は順調だった

アラモアナここで私が当時持っていた物件を紹介します。

私が持っていたのはカカアコ地区の1ベッドルームサイズのコンドミニアムでした。
ここは開発が近年進んだ地域で、購入した物件もかなり築浅でした。

見た目も立派なコンドミニアムの一室を、50万ドル台で購入しました。
当時はリーマンショック後の影響が残っており、今より若干割安に購入したと思っております。

カカアコ地区はビーチ沿いで、かつショッピングセンターなども多く、観光地として人気のアラモアナ地区が至近であったことから、今後伸びるであろうと感じたことが決め手となって購入しました。
住むうえでも便利ではないかと感じておりまして、実際、物件を貸し出せる状況に整備すると、比較的短期間で借り手がつきました。

6年間で借り手は3人付きましたが、目立ったトラブルもありませんでした。
もろもろの費用を引いた後でも、投資利回りは4%台後半程度あり、6年間で物件価格の20%超は、回収したイメージです。
>参考:カカアコのコンドミニアムについて

物件も地元の管理業者により適切に管理されていた

アメリカは日本と違って、中古の物件市場が発達しておりますので、建物のクオリティにより、不動産価格は大きく変動します。
日本ですと、築年数が経てばどんどん不動産価値は、下がっていくのが普通ですが、ハワイの場合は多少築年数が経っていても、適切にメンテナンスされていて、「快適に住める」物件であれば、しっかりとした値段が付きます。

こうした「いざという時売却のしやすさ」も、アメリカ・ハワイに不動産を購入した理由ですが、今回本当に売却することになって、改めて「ハワイで不動産投資をしていてよかった」と感じました。
ただ私たちがしっかりとした値段で売却できた背景は、「物件が適切に管理されていて、住みやすい状態になっていた」ということが要因にあります。

物件の維持や管理は私たちが頻繁にハワイに行くわけにもいかないので、現地の管理業者に任せておりました。
物件によっては管理業者が悪質で、購入後にトラブルが起こったり、また運用中は問題ないように見えても、メンテナンスが雑で、売却時に想定以上に物件価格が下がってしまうなんてこともあるようです。

幸い私の物件の管理業者は、そうしたトラブルはなく、売却時も物件が比較的良質な状態に保たれていたので、いい価格で売却できたと感じております。
ハワイでの不動産投資では、日本よりも「物件が良質な状態でメンテナンスされるかどうか」に注意し、管理業者の状況なども確認しながら、物件選びをした方がいいと感じました。

物件売却時には、手数料を支払う必要がある

さて、実際に売却をした際の流れを話していきます。

不動産を売却する際は、基本的に1社に売却を依頼し、価格の査定と買い手を探してもらうことになります。
日本の場合は「買取」という業者が、一旦売却物件を所有するシステムが存在しますが、ハワイの場合は買い手が見つかった段階で売却成立となり、業者は売買成立の仲介を行うのみとなります。

気を付けなければならないのは、価格の査定・買い手探しをしてもらう時点で、手数料の一部が発生することです。
手数料は売り手3%・買い手3%というのが基本ですが、重要なのは、実際には「売り手が両方の手数料を支払うのが通例となっている」点です。

従って実際の商習慣としては、まず売却を依頼した時点で 売り手分の3%を支払い、買い手が付き、売却が成立したら、買い手分の3%も払うということです。
つまり、実際には売却価格の6%を支払う必要があります。
一見損に見えますが、本来買い手が支払う分の手数料を、物件購入時には支払わずに済みます。

尚、売却が実際に成立する前から手数料の半分がかかりますので、複数の業者に依頼してしまうと、各社に3%程度は取られる形になります。
大抵の場合はそんなことを望む人はいないので、1社の業者のみに依頼するのが基本です。

従って、仲介業者選びは慎重に行うことをおススメしますが、なかなか現地の仲介業者事情に詳しい人も少ないでしょうから、日本人の場合は物件購入をした仲介業者に話をしてみるのが、まず良いでしょう。
私は購入時の仲介業者が丁寧で、日本語対応もできる業者でしたので、そのまま同じところで依頼しました。

また、この仲介手数料は、多少は値引き交渉の余地があります。
この値引き交渉の余地は、一般的に手数料の金額が高くなる高級物件で多いようです。

私の場合は、上記のとおり購入時に付き合いのある業者だったことや、物件のメンテナンス状況が良好で、比較的短期間で買い手がつき、業者の労力が少なく済んだ ということで、トータルで0.5%位割り引いてくれました。
いずれにしましても、物件価格の5~6%くらいは、こうして仲介業者に支払うこととなりますので、物件売却時にキャッシュ化される金額を、見誤らないように注意した方がいいでしょう。

税金は確定申告を適切に行うことで、二重徴税を回避

確定申告次に物件を売却した場合の税金についても注意が必要なポイントを説明します。

日本では取得価格と売却価格から諸費用を差し引いた差額がプラスである場合は、そのプラスの金額分の20%に税金がかかります。
私の場合は復興特別所得税が含まれていますが、5年過ぎていたので、20.315%ですね。

一方、アメリカの場合も最終的には「売却益分だけ」税金がかかるのですが、仕組みが変わっていて、一旦「売却価格」に一定の利率がかかります。
買い手が自宅用として使用するのであれば、50万ドルクラスの物件の場合は、トータル15%で 、私と同じように投資用の場合は、20%の税金が取られます。
俗に「預かり税」と呼ばれているものです。

一瞬高額の税金がかかってしまうので焦ってしまいますが、米国で確定申告を行うことで、売却益×税率に当たる部分以外は、後で戻ってきます。
尚、私は利用しませんでしたが、前もって書面を書くことで、あらかじめ実際に税金がかかる分だけを支払う方法もあるみたいですので、一時的でも多額のお金が出ていくのは困る、という方は、不動産業者に相談してみるといいでしょう。

私の場合は、買い手が住居用として、売却物件を使用したいという人が現れました。
住みやすい地域であったことが、幸いした形です。

それにより、実際の支払い税額は売却益の15%で済みました。
といっても差額が日本でとられてしまうので、私の税負担はほぼ変わりませんでしたが。

日本人が日本に居住している場合、例え海外の不動産から得た売却益でも、日本でも上記の20.315%の税率がかかります。
しかしこのままでは二重課税になってしまいますので、確定申告をしっかり行うことで、海外で支払った税額分は、控除してもらうことができます。

しかし、確定申告の際に、いくつか書類を手配する必要があります。
前もって準備しておいたので間に合いましたが、上記の米国での確定申告もあったので、意外に時間がかかりました。
いずれにしましても、最終的な税の支払いは売却益の20.315%(米国に15%、日本に差額の5.315%)となりました。
>参考:ハワイに不動産を持ったときの税金について

物件の立地・質の高さ・不動産市場に助けられ、多少の売却益が発生

さて、こうして最終的に物件の買い手先も見つかり、物件の売却の成約を行いました。

購入時より11%程高い値段で買い手を探してみると、リーマンショック後からハワイの不動産市場は、堅調な状況であったこと、そして立地的に近年開発が進んでいる地域であったこと、最後に物件自体が良質に保たれていたこともあってか、業者よりすぐに連絡がありました。
私は私でローンの支払い負担を早めに軽減したかったので、あまり悩んでもいられず、この価格で買い手探しを依頼しました。

前にも書きました通り、幸い、短期間のうちに、 住居用にしたいという買い手が現れ、価格もこのレベルで問題がないということで、無事成約しました。
11%高い値段で売却でき、相場は6%でしたが、すぐに買い手がついたということで、0.5%まけてくれたので、その5.5% を仲介業者に手数料として支払い、残った売却益5.5%の中の20%強が、キャピタルゲインにかかる税金として支払いました。

一旦アメリカには売却価格の15%を払ったので、一時的にはかなりお金が出ていきました。
余分な支払い分の還付金をすべて受け取った後で、購入価格を4.5%ほど上回った状態で手元に戻ってきましたので、直ちにローンの残債を処分しました。

すでに7年間支払っていて、ローン残額は当初の2/3ほどになっていたので、ローンを完済しても、ずいぶん手元に残りました。
これで老後も安心だなと感じております。

今回の投資は、売却タイミングが当初想定より早まった形ではありましたが、ハワイの堅調な不動産市場や物件自体がいいところにあったこともあり、いい形でクローズ出来たものと感じております。
また、今後を見据えて早めに動いておいたので、焦って売却をする必要がなかったのも幸運でした。

アメリカの税制度では一時的に多額の税支払いが発生したりするので、「あまりに余裕のない状況で成約すると大変そうだな・・・」 と思いました。
今は急に本業の収入が減ったので、ちょっと余裕がありませんが、また資金に余裕ができたら再チャレンジしてみるかもしれません。

最後に

今回はハワイで不動産を購入し、その後、売却を成立させ、物件を一回転させた芹沢さんの体験談をご紹介しました。
芹沢さんはやむを得ず売却したものの、本当に致命的になる前に売却に向けて動き始めたため、落ち着いた対応ができていたとのことでした。

また、ハワイの不動産市場自体が堅調であることも功を奏し、結果的に利益もしっかり残り、「投資として成功した」ものとなりました。
皆さんも不動産投資を始める場合は、いずれ売却する場合のことも考えて行うと良いでしょう。

売却はあまりに手元資金がひっ迫した状態で行うと、冷静な判断ができなくなったり、手続きが間に合わなくなってしまう危険性もありますので、先を見据えながら、余裕のあるタイミングで売却を実行するようにしましょう。

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