ハワイに不動産を持つことは、節税になるというメリットがある反面、確定申告や固定資産税などの税金が伴います。
言語や法律が異なる外国の税金をやりとりするわけですから、しっかりと全体を把握しておくことが大切です。

今回は、ややこしく敬遠されがちな、ハワイに不動産を持った時の税金の問題について、わかりやすく解説していきます!
税金に関する諸問題をクリアして、不動産投資をより確かなものにしてみてください。

ハワイ不動産を購入することで節税できる3つの理由

ハワイに不動産を持つと、以下のようなメリットがあり、節税対策として活用することができます。

① 中古物件が売りやすい
② 買換え特例の適用
③ 不動産購入にあたって掛かる税金が少ない

①中古物件が売りやすい

日本の物件の場合、年数が経過するにつれて、その建物の価値は下がります。

しかし、ハワイの不動産の場合は、築年数での評価ではなく、その物件の不動産価値が評価されやすいという特徴があります。
そのため、資産として経費で落とした物件を再度売却して現金化しやすいというメリットがあります。

②「事業用資産の買換え特例」の適用

「事業用資産の買換え特例」とは、条件が悪くて活用できない所有地と引き換えに、より条件がいい物件に買い換える際に適用される特例です。
通常は現在所有している物件を手放して、新しい物件を手に入れる場合には、譲渡税として2割近くの税金が取られることになります。

しかし、この特例が適用されると、支払うべき税金は売却した利益の0.4%で済み、手元により多くの資産を残すことができるのです。
この仕組みは日本にもハワイにも存在しますが、日本では不動産投資のように、短期での買換えには短期譲渡所得税率が4割近くかかるのに対して、ハワイではその納税を半永久的に支払い延長することができます。

大きな金額が動く不動産投資ですから、売却時に利益を全て残しておけるというのは、アメリカの不動産投資におけるメリットだと言えるでしょう。
また、節税対策として、ハワイに物件を購入する際にも、買換え特例が大幅に適用されるため、手が出しやすい不動産投資だとわかります。

③不動産購入にあたって、かかる税金が少ない

日本の場合、不動産を購入すると、所得税、消費税、登録税などさまざま税金がかかります。
一方で、ハワイでの不動産購入に際しては、掛かる税金はありません。
支払う税金を減らせるのですから、同じ不動産を取得するのにしても、ハワイがいかに得なのかわかります。

節税に効果抜群?!「減価償却」とは?

節税不動産所得は、総収入から必要経費を差し引くことで求めることができます。

そして、その必要経費には、ローンや税金、修繕積立費など様々な経費が含まれます。
その中の一つにあたるのが、「減価償却」です。

減価償却とは、購入した資産の価値減少分を「費用」として損失計上する、経理処理を指します。
具体例を挙げてみます。

例えば、あなたが100万円の社用車を経費で購入したとします。
今年購入したものですから、その年の会計時に100万円と計上したくなりますが、この車は10年使用する予定で購入しました。
この使用年数は公式に定められており、正確には「耐用年数」と表記します。

このような場合、100万円÷10年で毎年10万円分、この社用車を使用すると言うように計上することができます。
さらに言うと、車は使用され消耗するものですから、年月の経過とともにその価値は下がっていきます。

上記のように10年間で使用する(償却する)こととしている場合、1年目に100万円だったものでも、2年目にはマイナス10万円の90万円の価値、3年目にはさらにマイナス10万円の80万円の価値になるというわけです。

このように、購入したものの価値を数年に分けて「経費」として計上することで、会社としての経費削減に役立つのです。
これが減価償却のメリットであり、経理のコツだと言えます。

ハワイの不動産で減価償却が有利なわけ

減価償却には大きなメリットがあるということがわかりましたが、減価償却は「消費・消耗するもの」であることが前提ですから、不動産の場合土地は含まれません。
しかし、ここがアメリカ及びハワイ不動産の最大の強みであるとも言えます。
なぜなら、日本にもアメリカにも、この減価償却のシステムは存在するものの、不動産における土地・建物の価値のバランスが異なるからです。

年月が経つにつれ、建物の価値が減っていく日本の不動産とは反対に、ハワイの不動産では時間とともに建物の価値が評価されやすくなっているのです。
そのため、日本の不動産よりもハワイの不動産の方が、減価償却として経費に計上できる金額が増え、結果、節税がしやすくなるというメリットがあるのです。

その価値バランスの差は、日本が土地8割・建物2割の価値で評価されるとき、ハワイでは土地2割・建物8割として評価されるほどです。
不動産購入時に、その物件の価値評価をよく観察し、建物の比率が高いものを購入すれば、減価償却を多く計上でき有利になるのです。

また、ハワイの物件の耐用年数は、日本の物件のそれに比べて短いという特徴があります。
つまり、「どれくらいの期間にわけて、その資産を消費するか」という期間が短く設定されているということですから、購入金額が大きい不動産の場合、非常に有利に働きます。

例えば、5000万円で購入した不動産の建物率が80%で4年間の耐用年数であるとすると、5000万円×0.8=4000万円で、4000万円が建物の減価償却分になります。
そして、4000万円÷4年で、毎年1000万分を経費として計上できることになるのです。

経費として十分に活用し終わったら、その物件を売却し、キャピタルゲイン、つまり資産を売却することで、新たな利益を得ることも可能ですから、経費対策に非常に有効な手段であると言えます。

減価償却時に注意するべきこと

減価償却とハワイという土地柄のメリットを理解すると、できるだけ建物の価値が高いものを選びがちになってしまいますが、これには注意が必要です。
なぜなら、建物の値段が極端に高いということは、当然ながら、土地の値段が極端に低いということを意味するからです。

そのような物件は立地がとても悪い場合がほとんどで、売却がしづらくなってしまいます。
したがって、経費として計上するために、ハワイ不動産の購入を検討している場合でも、その土地の立地や条件等をしっかりと吟味するのが大切です。

確定申告の内容と方法

確定申告
ハワイという外国に所有している不動産であっても、家賃収入がある場合は、確定申告をする必要が有ります。
具体的には、年間で15日間以上、賃貸として貸した場合に課税対象になります。

基本的に税理士に依頼して、確定申告を済ませるのが一般的で、費用は1回につき1000ドル前後が相場です。
ハワイには日本語ができる税理士も多くいるため、言語に不安がある場合は、そのような事務所を利用するのがおすすめです。

そして、諸手続きは基本的にメール等で完結するため、確定申告のために、ハワイまで訪れる必要はありません。
また、日本に居住しながら、アメリカで家賃収入などを得ている場合は、日米両国で確定申告をする必要があるという点には、注意が必要です。

必要書類や詳しい手続きの進め方は、物件の状況によっても変わるため、税理士とコンタクトを取り、進めていくのが良いでしょう。

固定資産税はどうなる?ハワイの固定資産税の特徴

ハワイで不動産を購入した場合、毎年固定資産税を支払うことになります。
ハワイの固定資産税は7月1日から翌年の6月30日までの期間を1年として計算します。

つまり、2018年分の固定資産税は、2017年7月1日から2018年6月30日までの期間が対象となります。
ハワイの固定資産税は、日本の固定資産税と形式が異なり、地方で税率が定められる州税です。

そのため、地域によって税率に幅があり、アメリカ国内でもハワイの固定資産税は、全米一安いのが特徴です。
また、一点注意する必要があるのが、同じハワイ州であっても、島によって税率や資産区分が異なるという点です。

税金を安く抑えられれば、その分、手元に残るお金を多くすることができるのですから、島ごとの特徴を知って、戦略を立てていくことが重要です。

この税率は、以下の要素によって確定します。

・地域(ハワイ島、マウイ島、カウアイ島、オアフ島)
・物件の資産区分(コンドミニアム、ホテルなど)
・居住者(所有者本人か否か)
・固定資産税評価額

コンドミニアムや一軒家などの住居となる建物を購入した場合、固定資産税評価額1000ドルあたりの税率は、オアフ島が最も安く、0.35%となっています。
他の地域も併せて見てみると、マウイ島が0.53%、ハワイ島が1.05%、カウアイ島が0.605%となります。

しかし、日本に拠点を置いたまま、投資目的で物件を購入する際には、一点注意すべきことがあります。
それは、物件所有者がその不動産の主な居住者でない場合で、かつ固定資産税評価額が10,000ドルを超える場合は、ハワイ島であっても0.6%の固定資産税がかかることになるため、他の島との差があまり無くなるという点です。

オアフ島はハワイ州の州都であるホノルルがあることもあり、人気のエリアですが、物件の価値によって、その固定資産税率が大きく変化することを念頭に置いて、物件を検討するのが良いでしょう。

また、この固定資産税評価は、日本の場合、3年に一度行われますが、ハワイの場合は毎年10月1日に行われます。
ハワイにおける固定資産税評価は、日本のものよりも単純で、1㎡あたりの地価(公示地価)や道路に面する土地の1㎡あたりの地価(路線価)などの評価は存在しません。

そのため、ハワイ不動産の固定資産税評価額を考える際には、基本的に購入時の金額に近くなるということを覚えておくと、有利に物件探しを進めることができるでしょう。

固定資産税の支払時期と流れ

固定資産税の支払いは年に2回、半年ずつ行います。

全体の流れは以下のとおりです。

①6月30日:その年の固定資産税計算を締める
②7月20日:各自に前期分の納付書が送付される
③8月20日:前期分固定資産税支払い期限
④1月20日:各自に後期分の納付書が送付される
⑤2月20日:後期分固定資産税支払い期限

納付書の送付から1ヶ月で納付期限が来てしまうため、先延ばしにせずに、早急に対応することが大切です。
万が一、遅延した場合は遅延金が課されてしまうことにも注意が必要です。
また、前期と後期をまとめて一括で支払うことも可能なので、なるべく一度で済ませてしまうのがおすすめです。

ハワイ不動産における相続税の仕組み

ハワイで不動産を購入する際に気になるのが、「名義を誰にするのか」という点です。
たとえば、現在は日本在住で、もしかしたら将来夫婦でハワイに移住するかもしれないという場合、相続税の手続きを考えて、夫婦2人の共同名義にしたいと考えるでしょう。

しかし、たとえ不動産がハワイという米国の地にあっても、日本の居住者である以上、支払をする人物と名義人が異なる場合は、贈与税が課されます。
そのため、上記のようなケースでは、将来的に相続税を免れたとしても、日本の税務署から贈与税に関する指摘が入ることになるのです。

所有者が米国在住である場合、アメリカの税法が適用され、夫婦間で相続税がかかることはありません。
したがって、相続税が問題となるのは「日本在住」であり、「夫婦間共通の財産にしたい」場合に限られます。

このような場合、単独名義で購入した上で、TODと呼ばれる「死因贈与契約」を結んでおくのが良いでしょう。
このTODとは、その名義人が死亡した場合に、その資産を相続する相手を決めて、契約を結ぶ手続きのことです。

これを済ませておかないと、米国の「プロベート」と呼ばれる手続きが発生し、名義変更に最低6ヶ月、長い場合は1年半近くかかることになります。
このプロベートは、名義人が死亡した後、被相続人の財産を一時的に停止し、弁護士を介して、財産債務の確定や相続税の納税を行うことを指します。

プロベートが発生してしまうと、非常に長期的で面倒な手続きを行わなければならなくなってしまうだけでなく、弁護士費用や公的機関への費用で、数千ドル以上の金銭的負担になってしまいます。

そのため、相続人が決定している場合は、TODを事前に済ませておくことが大切なのです。
この手続きを介することで、共同名義による譲渡税の問題や、米国の面倒なプロベート手続きの問題も回避でき、残された相続人の負担を軽減することができます。

資産に関する税金問題は、非常に複雑で、面倒な手続きが多くあるものです。
被相続者が、より有利に資産を相続できるよう、早めの準備をしておくことが必要です。

相続税を払う場合と払わなくて良い場合

アメリカ合衆国全土において、5,430,000ドルを超える資産を所有している場合、原則として、死亡後に相続税を払わなければなりません。
さらにハワイ州では5,430,000ドルを超える場合に、相続税申告書の作成・提出義務があります。

ただし、これはアメリカに居住している場合、あるいはアメリカ市民である場合に限られ、アメリカに住んでおらず、アメリカ市民でもない場合は、総額60,000,000ドルを超える資産がある場合にのみ、相続税申告書を作成することになります。

これらの申告書は、名義人が死亡してから9ヶ月以内に提出し、相続税を支払う義務があるため、遅延すると、利息が追加されることに注意が必要です。基本的な相続税の決まりは、上記の通りなのですが、ハワイ州では相続税を支払わなくても良い場合があります。

その条件は以下の2通りです。

①無制限の婚姻控除の場合

夫婦の一人が亡くなり、総資産の全てを生存しているパートナーに残す場合、無制限の婚姻控除が適用されることになり、総資産額に関わらず、税金の免除が受けられます。

②ポータビリティーの場合
夫婦のどちらかが死亡し、生存しているパートナーが資産の譲渡を行う際に、無税で譲渡を受けます(婚姻控除)。
その後、生存しているパートナーも死亡した場合、はじめに婚姻控除を受けた分と、残されたパートナーの死亡時に免除額分を合算することができます。

この時に、合算した免除額の合計が相続する総資産を上回る場合、相続税を支払う必要はありません。
ただし、税金が免除されても、州政府に申告書を提出する義務はあるため、忘れずに行いましょう。

また、申告書の提出は6ヶ月まで延長することが可能なので、遅れそうな場合はしっかりと手続きを踏むことが大切です。

ハワイ不動産の譲渡税と売却時の譲渡税

譲渡
日本に限らず、ハワイの不動産でも、自身が所有していた資産を別の人物に譲る際には、譲渡税が課され、さらにその譲渡で利益が出た場合は、譲渡益税が課されることになります。

まずは、譲渡税についてみていきます。

譲渡税は売却あるいは譲渡の際に、ハワイ州から元所有者に課される税金です。
基本的な譲渡税の仕組みは、日本と同じですが、日本では譲渡を受ける人が税金を支払う一方で、アメリカではその資産を手放す人物が税金を支払うという点には注意が必要です。

次に、譲渡益税についてみてみます。

条件により異なりますが、長期間、所有していた物件を売却して利益が出た場合、譲渡益税を支払うことになります。

長期所有とは5年以上を指し、税率は個人所有の場合の税率が20%、法人所有の場合が40-50%となります。
日本在住の場合、譲渡益税は日本でも課税対象になります。

しかし、「外国税額控除」を申請することにより、二重課税を免れることができます。
ただし、これを受ける際には物件を売却した年の確定申告時に、必要書類を一式添付する必要が有るため、早めの準備が大切です。

上記の手続きは英語である上に複雑である場合も多いので、会計士や税理士などの専門家の力を借りるのが良いでしょう。

売却時の源泉徴収

アメリカでは売却金額が300,000ドルを超え、かつ買い手がその物件に居住しない場合は、源泉徴収が行われます。
源泉徴収として納める割合は、10%となっており、支払い方法としては、住宅の売却金額から10%を引き、残りの90%が売り手に渡ることになります。

つまり、実際の手続きは買い手側が弁護士等を通して行うことになります。
ただし、売却金額が300,000ドルを超えない場合、もしくは買い手がその物件に居住する場合は、源泉徴収の対象外となることには、注意が必要です。
また、売却時の値段が物件購入時の金額よりも少なく、損失扱いになる場合も源泉徴収は行われません。

このシステムを利用する場合、物件購入時の金額や諸経費などについて、指定の申請書に記入し、譲渡益が低かったことを証明します。
10%は大きな金額になるため、物件売却時には源泉徴収についても、念頭に置いておくことが重要です。

最後に

ややこしい税金関連の手続きは、不動産投資において、どうしても避けては通れません。
複雑な手続きが必要なときには、専門家の手を借りるのもおすすめです。
海外の不動産だからこそのメリットをうまく享受しながら、税金問題とうまく付き合ってください。

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