青い海、さわやかな風、アロハスピリットにあふれたピースフルな人々、ハワイは世界中の人々を魅了して止みません。
ハワイ不動産投資を考えているハワイファンの方々のなかには、リタイヤした後や、数年後にはハワイへの移住も視野に入れていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
ご家族でハワイに住めるというようなことになれば、夢のようですよね。
この記事では、ハワイへの移住を念頭に入れた不動産購入についてご説明します。
目次
ハワイ移住という選択肢が日本人に人気の理由
観光大国ハワイ
ハワイは世界中の人から愛されるビーチリゾートで、年間1,000万人もの人々が、世界中からハワイに訪れているといわれています。
日本人を含め、世界の投資家のなかには、一時滞在でおとずれているうちに、ハワイがすっかり大好きになり、生活のベースを本格的にハワイに移したいと考える人々がたくさんいます。
では、数あるビーチリゾートのなかでも、日本人の移住先としてハワイが注目を集めるのはなぜなのでしょうか。
自然が豊かで美しいビーチ
絶好のサーフスポットが、初心者向けから上級者向けまで豊富にあるため、サーフィンが好きな人には、1日中波と戯れることが可能です。
日本語が通じやすい
ハワイは歴史的に日本人の移民を受け入れてきたという経緯があり、日系二世や三世などの日系人が多数居住しています。
そのため、ハワイではレストランやお店などで、日本語が通じるところも少なくありません。
いざとなったときに、母国語が通じるということは、生活するうえでとても安心ですね。
また、料理も甘辛い味の照り焼きソース味や、マグロなど、日本人の舌になじみやすいものが多い点も、生活の本拠地を移す心理的ハードルをさげるのに役立っているといえます。
ハワイ、特にホノルルはそれほど大きな町ではなく、日本人は近くに集まっていることが多いので、ご家族で移住する場合にも安心です。
子供の英語教育によい環境
日本語が通じやすい一方、公用語は英語ですので、子供に本格的な英語教育を受けさせたいという方にも向いています。
英語を話せるようになるためには、小学校までにネイティブの英語スピーカーのアクセントにふれて、英語脳をつくっておくということが、非常に大切です。
日本での英語教育はどうしてもリーディングが中心となってしまいますし、インターナショナルスクールなどに入れるには、非常にお金がかかりますので、ハワイは子供の英語教育を熱心に考える親御さんにも、魅力的な選択肢となっています。
また、後述するグリーンカードを取得できた場合、子供がアメリカの学校に進学することも可能になります。
ハワイに移住するためにはビザが必要
ビザの目的
私たち日本人には米国籍が、生まれながらに与えられているわけではないため、ハワイに入国するためには、目的や期間にあわせて、適切なビザを取得する必要があります。
ビザは日本語で査証ともいい、端的にいうと、自国に不適切な移民(不法労働者やテロリストなど)が流入してこないように、入国してくる外国人を、書面や面接などで審査するという手続きです。
海外旅行のように、ごく短期の滞在の場合は、影響がそれほどないとして、正式なビザ申請が免除されていることも多いですが、永住する移民や長期滞在については、ほとんどの国がビザの申請と取得を要求しています。
ハワイ州を含め、アメリカ合衆国への入国も例外ではありません。
ハワイ州に長期滞在するために必要なビザには、大きく分けて、移民ビザと非移民ビザの2種類があります。
ご自身が永住に近い形なのか、それとも比較的固定された期間のステイなのかを考えることによって、どちらのビザを申請するべきか判断していくことになります。
移民ビザ=グリーンカード
永住に近い形でハワイに移住する場合は、通称グリーンカードというアメリカの永住権を得られる移民ビザを申請することが一般的です。
グリーンカードを取得すると、アメリカへの永住権が与えられ、多くの側面において、アメリカ人とほとんど同じような保護が与えられます。
ハワイ州を含むアメリカの出入国は、自由にでき、滞在期間にも期限がありません。
学業や起業のために、ビザの期限を心配することなく、ハワイに滞在できるグリーンカードは、永住を考える外国人にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
グリーンカードは、Lawful Permanent ResidentやPermanent Residentとも現地で呼称されます。
現在発行されているグリーンカードの色は、白色なので、なぜグリーンカードと呼ばれるか不思議に思われるかもしれませんが、グリーンカード制度がはじまった1940年代に、カードの色が緑色だったことに由来しています。
移民ビザと市民権の違い
上述のようにグリーンカードは、移民に対してアメリカの永住権を認めるものです。
しかしながら、グリーンカードとはあくまで外国人に与えられる滞在ビザであり、その人にアメリカの国籍が付与されるということではありません。
このことは逆にいうと、グリーンカード保有者は、日本の国籍をもったままアメリカに住めるというメリットにもなります。
なお、アメリカの国籍ではないことのデメリットとしては、アメリカでの投票権や一部の公職など、アメリカの政治に影響するようなことは制限されます。また、外国人であるため、相続税の割合はアメリカ人よりも高くなってしまいます。
ただし、永住権を取得してから5年間たつと、市民権を獲得することもできます。市民権を獲得すると、アメリカに家族をよびよせることもできます。
なお、グリーンカードは10年間に1回、更新手続きが必要ですので、長期滞在の場合は忘れずに更新しましょう。
移民ビザを取得するための手段
アメリカ人と結婚する
グリーンカードはアメリカに住みたい外国人にとって、非常に魅力的な方法になりますので、非常に人気ですが、取得のハードルはかなり高いものがあります。
取得方法のひとつとして、アメリカ人との婚約者としてビザを発行してもらい、入国してから3ヶ月以内に実際に結婚することによって、グリーンカードを得るという手段があります。
しかしながら、ハワイ移住を目指している人が、たまたまアメリカ人と婚約しているという状況にあることはまれでしょう。
グリーンカード取得のためだけに、一生を左右する結婚をするというのは、もちろんナンセンスですので、この申請条件が適用になる方は、それほど多くはないかもしれません。
雇用によるグリーンカードの取得
ハワイ企業に雇用されることにより、グリーンカードを取得する方法として、EBという制度もあります。
EBによるグリーンカードの申請は、申請をする人が、いかに自分が優秀な人材であることをアメリカ政府に証明できるかによって、申請に必要な期間や、申請が認められやすいかがかわってきます。
EB-1というカテゴリーはその分野でずば抜けた能力で有名な人であることを証明しなければならないので、もっともハードルが高いです。
次のランクであるEB-2は学歴として、修士号以上を保有している必要があります。
EB-3はそれら以外の人々になりますので、証明レベルはもっともやさしいですが、申請者が非常に多いので、申請手続きには5年程度かかるそうです。
外国人の雇用は、アメリカにとっては、自国の国民に優先して、外国人に国内の雇用を認めるということを意味するので、雇用をする企業側も政府に対して、移民させてでもこの人材がわが社にとっては必要なのだということをアピールしていかなければなりません。
具体的には、雇用する企業は現地でも求人を行ったけれども、移民をさせようとしている外国人よりも、すばらしい人材はいなかったということを、政府に対して報告をしなければいけません。
EB-1からEB-3以外のカテゴリーとして、EB-4という分類がありますが、これは日本に帰化したアメリカ人など、非常に限られた人のみが申請ができます。
抽選によるグリーンカードの取得
ほかには、移民多様化ビザ・プログラム抽選によるグリーンカードの取得方法があります。
抽選は運の問題なので、何回やってもだめな人もいますが、運よくすぐに当選される人もいます。
上述のように、日本人の移住先としてハワイは、非常に人気ですので、グリーンカードに当選した日本人の半分くらいは、居住先として、アメリカの中でもハワイ州を選ぶそうです。
グリーンカードが当選したら、非常にラッキーですので、他の申請方法とあわせて、抽選にもチャレンジしておくということもひとつの選択肢ですね。
非移民ビザ
移民ビザであるグリーンカードに対して、非移民ビザとは、いずれは自国に戻るつもりだけれど、ある程度有期でハワイに滞在したい人のために発行されるビザです。
非移民ビザはビザの種類によって、滞在できる期間がわかれており、入国条件についても、移民ビザに比べると、様々な制限がつきます。
ハワイに滞在する期間も目的も様々であるため、職業や目的別に80種類以上に細かく分けられています。
E-1ビザとE-2ビザの違い
多くの日本人ハワイ不動産投資家は、EビザやLビザといわれる、非移民ビザを取得して、ハワイでの居住生活を満喫しています。
Eビザには、E-1ビザとE-2ビザの2種類がありますが、日本人不動産投資家がよく取得しているのはE-2ビザです。
E-1ビザもE-2ビザも、アメリカの法律に準拠して設立した現地法人がビザカンパニーとして、アメリカ大使館等に登録され、ビザカンパニーのために業務に従事する外国人にビザが与えられるということになります。
E-1ビザのほうは、アメリカの現地法人が貿易業務を事業としていて、その貿易事務のうち、50%が日本との貿易である必要があります。
貿易額が巨額である必要はありませんが、継続的に事業として貿易がされていることが必要です。
投資家向けのビザであるE-2ビザ
E-2ビザのほうは、ビザをとろうとする外国人が、ハワイに会社をつくり、その会社がたとえば、ハワイで飲食店を開業した場合などに一定の条件で認められます。
E-2ビザは別名投資家ビザともいわれるので、ハワイ不動産投資家のハワイ長期滞在については、もっとも目的に近いものかもしれません。
アメリカとしても、新しい事業を自国にもたらしてくれたり、M&Aによって、アメリカの経済を活性化してくれた人は、ウェルカムな人材なのです。
よってE2ビザは審査要件が厳しいものの、一旦取得したら半永久的に更新もできます。
そのため、非移民ビザの中では移民ビザにもっとも性質が近いビザであるとも言われています。
Eビザのメリットと手続き
Eビザは、雇用する会社が、自社をビザカンパニーとして登録し、かつ渡航する人のビザ申請を、米国大使館に行うことで発行できます。
そのほかのビザの取得は、米国移民局への手続きを先に行い、許諾を得てから米国大使館に行う必要があるのですが、Eビザは移民局への手続きが省略できるので、申請手続きが比較的簡単という利点があります。
また、Eビザ取得のための学歴要件が設けられていないので、門戸は比較的大きく開かれています。
Eビザが与えられた人の家族にも、E-4ビザというビザが与えられます。
E-4ビザは、申請者の配偶者であれば、ハワイで配偶者も就労できます。
雇用する会社であるEビザカンパニーは、登録を毎年1回更新をしなければならず、また5年間登録更新をしなければ登録が取り消されてしまうなどの責任を負いますので、これについてはきちんと対応していく体勢の確保が必要です。
Lビザ
ハワイの現地法人ではなく、日本企業がビザカンパニーになるのがLビザです。
自社のハワイオフィスに、管理職クラスの人を派遣したり、専門技能をもったスペシャリストを派遣したりするときに使われます。
LビザはEビザに比べて、発行手続きが少し面倒です。
会社にとって有用な人を派遣するということが前提ですので、ビザカンパニーの申請手続きのあとに、ビザを受ける人が米国大使館でインタビューを受けたりする必要があります。
ただし、一旦認められると、最長5年の滞在が認められ、その後、延長制度もあります。
不動産投資家をやりつつ、日本企業にお勤めの方で、たまたま要件を満たしている方には、選択肢のひとつになるでしょう。
H-1Bビザ
その他のビザとして、就労経験がない新卒の方でも取得が可能なH-1Bビザがあります。
EビザやLビザの対象になるには、かなりの実務経験や専門知識が必要なのですが、H1-Bビザであれば、大学を卒業していれば、取得可能ですので、若い方には選択肢のひとつです。
移民法の改正の注意
アメリカ、特にハワイ州は移民を歴史的に多く受け入れてきました。
しかし、移民法は時代の情勢や政治、経済によって改正がされやすい法律であるといえます。
実際にビザ申請をするときは、必ず在日アメリカ大使館や米国の移民局のホームページなどで要件に改正がないかなど、チェックしつつ、米国弁護士の移民の専門家に相談しましょう。
移住のためにできること
ハワイでの住まいの準備
移民ビザにしても非移民ビザにしても、申請・取得までにはかなりの準備と時間を要することがお分かりいただけたかと思います。
これから移住を考える人は、ビザの申請手続きをすすめるとともに、移住後の住まいの確保について、並行して考えてみてはいかがでしょうか。
ハワイの賃貸物件に住むための賃料は相当高額です。
そのため、移住をしつつ、ハワイ不動産投資用の物件の購入を考えるということは、ひとつの有効な選択肢です。
物件を購入しておき、ご自身がビザを得て移住できるようになるまで、他人に貸しておきます。
賃料を得ることで、ローン残債が目減りしているので、移住できる頃になったときには、返済はかなり楽になっているはずです。
どのようなエリアで暮らしたいか、イメージをもつ
ハワイ州は外国人の不動産購入が認められています。
ハワイとひとくちでいっても、にぎやかなワイキキエリアや、静かで自然豊かなノースショアなど、いろいろなエリアの選択肢があります。
中心部を離れて住むとすると、車での生活が基本となります。
ご自身がどういった暮らしを、ハワイでしたいかをイメージしながら、不動産を選ぶとよいでしょう。
ワイキキエリアは観光客も多くにぎやかです。
特徴としては昔からハワイの中心地として栄えてきたので、コンドミニアムは中古物件が多く、リノベーションによって、中が綺麗になっている物件が多いです。
もう少し喧騒を避けたいという方には、アラモアナあたりも人気のエリアです。
ワイキキに比べると、旅行者が少なく、ショッピングセンター、レストラン、映画館、病院など、生活インフラが充実しているといえます。
>アラモアナのコンドミニアムについて
どのような物件で暮らしたいか
ハワイで購入できる不動産には、コンドミニアム、タウンハウス、一軒家、ホテルコンドなどがあります。
ホテルコンドは実質ホテルともいえる存在ので、短期間のバケーションでホテルのサービスを受けつつ過ごすという人向けです。
移住者にはコンドミニアム(日本でいう分譲マンション)、タウンハウス、または一軒家が選択肢となるでしょう。
コンドミニアムは日本人に人気ですが、デメリットとしては管理費が月500ドルから1000ドルと日本と比べても高額という点が挙げられます。
特にワイキキ周辺のコンドミニアムは、プールやBBQ施設、バーなど、ラグジュアリーな設備が備え付けられていますので、どうしても管理費が高くなってしまうのです。
また、一軒家も、ハワイの土地面積が限られていることもあって、かなり高額なのと物件数が限られているというデメリットがあります。
なお、日本でいう、テラスハウスにあたるタウンハウスは、一棟を壁で仕切ったタイプの物件ですので、予算がリーズナブルで、バランスがよいかもしれません。
銀行融資について
不動産投資の醍醐味は、やはり自己資金をおさえて、金融機関の融資をうけて、レバレッジを効かせることができる点です。
ハワイの銀行は日本人の口座開設に寛容ですので、ハワイ不動産購入を決めたら、現地で口座を開きましょう。
日本の金融機関はまだまだ外国不動産投資に積極的でない金融機関も多いので、融資をしてくれる金融機関はそれほど多くありません。
一方、ハワイの金融機関は、頭金を半分ほど自己資金で出せる場合には、外国人であっても融資をしてくれる可能性があります。
信頼できる不動産エージェントをみつける
ハワイ州をはじめとして、アメリカの不動産取引では、売主にも買主にも不動産エージェント、またはブローカーが売買取引について、双方を代理することが一般的です。
将来ハワイに移住を考えているとしても、ビザが取得するまでは、限られた期間しかハワイに滞在ができないので、納得のいく不動産購入をするためには、信頼ができる不動産エージェントをみつけることが大切です。
日本とハワイでは19時間も時差が離れていますし、言語も違いますので、日本人投資家、また将来は自分で居住する物件を探している人との取引に慣れているエージェントがよいでしょう。
ハワイに投資用不動産を購入する外国人で、もっとも多いのは日本人であるといわれているので、日本でも多くのエージェントが書籍をだしたり、セミナーを実施したりしています。
いくつかのエージェントと連絡をとってみて、ご自身が信頼できる方を選ぶ必要があります。
また、移住するまでの間は日本にいるので、物件の管理もお願いできるように、不動産エージェントから管理会社を紹介してもらったり、並行して探しておく必要もあります。
>参考 不動産エージェントについて
最後に
いかがでしたでしょうか。
観光と違って、移住はビザの申請や不動産探しなど、いろいろな手続きや準備が必要です。
また、ビザの申請は、弁護士にご自身の状況や滞在目的などをきちんと説明するなど、プロのアドバイスを受けることをおすすめいたします。
いまからでもこつこつと情報を収集して、数年後にはハワイ生活の夢が叶うと良いですね。