うまくいかなかった。

私は40代半ばの男性です。
今回は、ハワイの不動産投資をして、失敗した体験談を皆さんにお話しします。

きっかけは娘の一言

私は新卒で入った大手スーパーでこれまでずっと働いています。
現場で働くよりも、管理をする側に回りたいと、昇級を夢見て、日々残業に明け暮れていました。

ですが、店長になって約10年、昇級するような話も出てこず、仕事に対してのモチベーションもどんどん下がっていってしまいました。
転職も考えて、休みの日に転職活動を試みましたが、年齢も年齢なので、うまくいきませんでした。

スーパーで接客業しかしたことのない私は、特に資格などもなく、紹介してもらえそうな仕事は土木業のみ。
体力に自信があるわけではなく、将来定年まで働ける気もしなかったので、その道に進むことは考えられませんでした。

大学の同窓会で集まった時、旧友の話を聞いていると、みんな結構良い給料をもらっていて、「自分はどこで道を間違えたのだろう?」と何度も考えました。
普通、40代半ばにもなってくると、それぞれ会社での立ち位置が決まってきて、昇給もし、順風満帆の日々を送っているような気がします。
隣の芝生は青いということわざがありますが、元々人と比べてしまいがちの私は、ただただ惨めな気持ちになっていました。

私は安月給ですが、家族4人で生活していける程度のお金はもらっていました。
ただ最近、16歳の娘が大学に通いたいと言い出しまして、今の私の給料ではどうしても厳しいと思いました。

奨学金制度もありますが、言葉を変えれば、それは「借金」
お金が理由で子供の夢を壊したくはなかったので、どうにかお金を稼ぐ方法はないものかと調べていると、不動産業者主催の、ハワイでの不動産投資セミナーが近くで開催されることを知りました。

私は元々副業に興味はあったのですが、何から始めていいのか分からず、結局、手付かずのままでした。
この不動産投資セミナーを見つけたときも、「不動産は難しそう」という勝手なイメージがあり、参加を悩みました。

ですがちょうどそのタイミングで、テレビで不労所得の特集がされていて、有名な芸能人が海外の不動産で儲けていることを知りました。
このタイミングでこの番組を見てしまったのは、何か運命的な事かもしれないと思い、直近で行われるセミナーにすぐに申し込みました。

不動産のことは何も知らなかった

分からない
セミナー当日、妻には「怪しいものに手をつけないで」と、口酸っぱく言われました。
私は不動産の知識が全くなかったのですが、周りを見渡せば、お金を持っていそうな人ばかり。

場違いだったので帰ろうかとも思ったのですが、減るものではないので、とりあえず話だけでも聞いてみようと、席に座りました。
実際にセミナーが始まると、私はその話にどんどん惹きこまれていきました。

今も昔もハワイの人気は根強く、不動産業界も右肩上がりだそうです。
ハワイには新婚旅行で行っただけなのですが、印象はとても良く、将来こんな国に住めたら最高だな、と思っていました。

セミナーでは、不動産投資とは?から始まり、実際に始める手順まで、事細かに説明してもらいました。
ハワイで物件を購入することは、思っていたよりも簡単そうで、その不動産会社の手厚いサポートもあるとのことで、とても興味が湧きました。
講師の話を聞いていたら、なんだか私にもできそうな気がしてきました。

購入するまでは早かった

セミナーが終わった後のアンケートで”不動産投資に興味あり”に丸をしていたからでしょうか。
数日後にその不動産会社から直接連絡があり、もう1回詳しく話を聞くことになりました。

妻にももちろん話したのですが、あまり乗り気ではなく、心配されました。
「話を聞きに行くだけだから」と家を出ましたが、この時点でかなり前向きに不動産投資を検討している自分がいました。

不動産会社に行って、担当の方から更に詳しい話を聞くと、ますます興味が湧いてきました。
担当の方も強く営業をかけてくる様子ではなかったのですが、私は勝手に一人でどんどん舞い上がっていました。

というのも、話を聞けば聞くほど、このビジネスで失敗する気がしなかったのです。
ただ決して安い買い物ではないので、即決することができず、その日は家に帰りました。

それから約2週間、私は不動産投資のことばかり考えていました。
もしこの投資が成功すれば、「問題なく娘を大学に進学させてあげられる」、「もしかしたら将来ハワイに移住できるかも!?」、なんてことも考え、浮かれていました。

妻にもプレゼンしたのですが、「そんな博打は踏みたくない」の一点張り。
何度か話し合いを重ね、最終的に私の熱量に押され、首を縦にふってくれました。
妻の同意も得られたので、その後、不動産会社に足を運び、契約に至りました。

借金からのスタート

不動産購入には多額の初期費用がかかります。
ある程度貯金はありましたが、到底足らず、銀行からお金を借りました。
ハワイの不動産購入にローンを使う

運用プラン通りにいけば、数十年でペイできる予定だったので、自分への投資だと躊躇しませんでした。
また、ハワイの物件は中古であっても、そんなに価値が下がることはないと聞いていたので、少しプラスを出すことができれば、「いつでも手放してもいいかな?」、という軽い気持ちでした。

今はネットが普及しており、実際にその土地に行かなくても、物件を買うことができます。
それはハワイも同様で、現地エージェントと電話やメールのやりとりをするだけで、物件を探せます。

金銭的に無理がない且つ、誰にでもうけそうな物件を探しており、結果的に購入したのは、ワイキキビーチから車で約10分程の場所にある、リゾート風の一軒家でした。
不動産の知識もありませんでしたし、ハワイの土地勘もなかったので、担当者に勧められるがままに選びました。
不動産会社がほとんどの手続きを行ってくれたので、特に困ることもなく、トントン拍子に事が運びました。

提案してもらった運用プランは、「物件を購入→日本人相手に中・長期レンタル、その利回りが月々の収入になる」というものでした。
私は「やっと夢の不労所得が手に入る仕組みを作れたと思い」、完全に浮かれていました。

実際に運用が始まったが、思い通りにいかなかった

現地エージェントとの話し合いをした後、広告を出したのですが、一向に借りたいという人が現れませんでした。
ハワイに移住したい人はたくさんいるのに、住む場所が足りていないという話を昔聞いたことがあったので、私は不思議に思いました。
待てど暮らせど、応募の連絡は入らず、この時点で「あれ?」と、心に不安を抱え始めました。

購入した物件がリゾート風一軒家だったので、ターゲットは”家族”でした。
入居者が決まらないので、ここで初めて自分で不動産について色々と調べてみました。

すると、そもそも一軒家で不動産投資をしている人が多くなく、ほとんどがワイキキのコンドミニアムの購入者だったことが判明しました。
かと言って、コンドミニアムだったら上手くいっていたのか、というと、そうでもなさそうです。

多くの人が求めるのは便利さであり、それがコンドミニアムだろうが一軒家だろうが、そこまで重要事項でないように思いました。
ただ、車で10分という立地条件がなかなか入居者が決まらない原因のようでした。

話を聞いたときはワイキキから10分だったら、中心からかなり近いと思ったのですが、実際は、周りにはスーパーやコンビニなど何もなく、閑静な住宅街でした。
この家を借りるには車が必須で、おそらく多くの人は徒歩圏内で全ての用事が終わるような、便利な場所を探していたのだと思います。

全てが上手くいかなかった

うまくいかなかった。
不動産の運用が上手くいってないことは、しばらく妻には話していませんでした。
ですが、長く隠しきれるわけもなく、ついにバレてしまいました。
「だからあの時止めたのよ」と言われ、そこから大きな喧嘩に発展し、その日からお互いに険悪なムードになりました。

しかし泣いても笑っても、借りているお金は毎月支払っていかなければなりません。
借金返済の見通しも立たず、将来のことを考えるだけで、毎晩不安に押しつぶされそうでした。

子供たちには何も話していませんでしたが、家庭の雰囲気から何かがあったことは、感じ取っていたことでしょう。
子供たちには悪いことをしたと思っています。

家庭の会話も減り、ついには妻が子供を連れて実家に帰ってしまいました。
しかし全ては私が蒔いた種なので、妻たちを迎えに行く資格はありませんでした。
そして数ヶ月後、離婚届が家に届き、私はその紙にハンコを押したのでした。

毎月でる赤字に耐えられなくなった

そんな中でも私は不動産を手放すという決断ができずにいました。
「もしかしたら、もうすぐ連絡がくるのではないか、きっと来月は・・・」という期待を捨てきれず、右往左往していました。

しかし人がいるいないに関わらず、維持費は払って行かなければいけません。
毎月赤字が続いていて、とうとうお金が回らなくなり、ハワイにある不動産を手放すことになってしまいました。

結局一度もその物件には足を運ぶことがなかったので、私にとっては幻のようなものでした。
担当の人は淡々と手続きを進めており、文句を言ってやろうかと、喉まで言葉が出ていましたが、結局は私が判断したことなので、そこはグッとこらえました。

そしてここでも問題発生です。
手放すと決断できたのは良かったのですが、再度売りに出したその物件がしばらく売れなかったのです。
よくよく調べてみると、私が購入を決めるまで8ヶ月くらい、買い手が決まっていなかったようです。

恐らくきちんと調べている人であれば、買わないような物件だったのでしょう。
早く売りたいのであれば、そろそろ値段を大幅に下げたほうがいいかもしれないというエージェントからのアドバイスは、ありましたが、私はこれ以上は下げられないと考えていたので、そのアドバイスは聞きませんでした。

前回のように8ヶ月はかかりませんでしたが、それでも売れるまで3ヶ月程かかりました。
ただ救われたのは、買取価格と販売価格がほとんど変わらなかったことです。
ですが、初期費用やエージェントのマージン、維持費などを考えると大赤字。
私の人生お先真っ暗です。
ハワイの不動産購入にかかる費用とは

不動産投資をしない人の理由も考えるべきだった

私が不動産投資を失敗した理由は、メリットばかりに目がいって、デメリットをきちんと理解していなかったからだと思います。
ハワイの知識が少なく、周辺状況をよく調べずに購入したことが一番の失敗だったと思っています。

また、早く投資を始めたいという気持ちが先行して、円安・円高のタイミングを全く気にしていなかったことも失敗した理由の一つです。
私が物件を買った時は1ドル約125円の円安だったのですが、今はそれから10~15円程、円高になっています。

物が物だけに、たった1円の変動が大きく影響してくる世界です。
購入を急ぐ必要がないのであれば、為替相場の動きをチェックして、一番お買い得だと思った時点で購入するべきです。

そしてハワイは物件が高く、家賃もそれほど高くないので、利回りが低いのです。
多くの投資家は利回りをあてにしているというよりかは、節税を狙ってハワイの不動産に手をつけます。
>参考 ハワイ不動産投資は利回りが良くない?

海外で不動産を持っている場合でも、日本の税制が適用されるので、不動産の減価償却を経費で落とすことができるのです。
この減価償却は”劣化するもの”つまり土地ではなく、建物に適用されます。

日本では土地:建物が8:2であるのに関わらず、ハワイは土地:建物が2:8なので、比率が高いのです。
私も購入した物件を長く所有する予定で、減価償却には注目していたのですが、そもそも維持することができなかったので、夢のまた夢の話ですね。

自分で知識をつけておくべきだった

勉強最初のセミナーでリスクは説明してくれたものの、不動産会社はお客を勝ち取るために開いたものであって、メリットばかりを伝えてきました。
もちろん、セミナーを開いた不動産会社が悪いわけではなく、知識もなく、不動産投資に手をつけた私も悪いです。

成功している人の話を聞くと、理想ばかりが先行し、どうしても冷静に見極めることができなくなってしまいます。
元々勉強することが嫌いな私は、営業マンへの根拠のない信頼で契約を決めてしまったところがあります。

大きな投資を決める前には、自分でしっかりと勉強し、判断する必要があります。
私は自分の軽はずみな行動で、家族というかけがえのないものを失いました。

みなさんには私と同じような失敗はしてほしくありません。
この体験談を反面教師として、投資をする前は徹底的に下調べをして、信頼できる不動産会社探しから始めてください。

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