安定運用

ハワイでの不動産投資を考えている方の中でも、その実態、実情が良くわからず、なかなか投資に踏み出せない方が多いと思います。
そんな方のため、今回は全くの未経験からハワイに完全投資目的で不動産投資を購入し、現在も運用されている吉本さん(仮名)の体験談をご紹介します。

吉本さんは全く知識がない状態から投資をスタートし、いくつかのトラブルもありましたが、無事乗り越え、今では一定程度、安定したリターンを享受しながら、運用を継続できているとのことです。
ハワイでの不動産投資を検討されている方は、是非参考にしてみてください。

きっかけは不動産投資セミナー

私、吉本は50代前半の男です。
比較的若くに結婚し、子供も授かりました。

子供は、同居はしているものの、サラリーマンの職についていて、経済的には数年前から自立済みです。
そのような中、4、5年ほど前から、妻と老後の資金計画について話す機会が増えました。
私はまだサラリーマンとして働いていて、稼ぐ口が全くないわけではないとはいえ、現在の高齢化社会の中では、我々の資金が充足しているのか、不安ではありました。

投資に関する話も、妻との間では何度か出ました。
老後が不安と言えども、手元には幾ばくかの預貯金もあったため、これを資産運用して増やしてみてはどうかとも考えました。
しかし、有価証券投資の知識、経験は、私も妻にも皆無でしたので、何となく踏み出せずにいました。

そのようなさなか、ちょうど海外不動産を扱う仲介業者が、「ハワイ不動産投資セミナー」を実施するという告知を、ふとインターネットで見つけました。
繰り返しになりますが、これまで具体的に「投資」というものを検討していなかった私たちにとって、「不動産投資」、それも「ハワイ不動産投資」というのは、全く念頭にない投資手段でした。

一方で、「ハワイであれば、住みたい人はひっきりなしだろうし、少子化で人口減リスクがある日本の不動産よりむしろ値崩れしないんじゃないか」と素人ながら感じ、興味を持ちました。
正直「ハワイに不動産を持っている自分カッコいい」なんていうミーハー的な思いもありました。
結局、私はそのセミナーに参加してみることにしました。

セミナーではハワイの不動産事情や税制、不動産ローンのことや、投資する場合のおすすめの物件スタイル等、ハワイでの不動産投資にかかわるベーシックな知識、実際にハワイで不動産投資を行って成功している人の体験談を聞くことが出来ました。

セミナーの知識編で印象的だったのは、現実でも、ある程度、自分が想像していた通りだったことです。
実際にハワイは特にホノルル市内で言えば、不動産価格はおおむね右肩上がりで、今もホノルルの不動産市場は、活況が続いているとのことでした。
一時的だった日本のバブルが安定永続しているような、そんな印象を受けました。

また、不動産ローンを活用すれば、手元資金が充分でなくとも、投資実行は可能であることも知りました。
手元現預金は相応にあるとはいえ「不動産を買うには力不足」な印象だったので、この点もいい情報でした。

そして、その後の成功体験談を聞いて、私もトライしてみたくなりました。
私同様にその方も、完全に投資初心者からハワイの不動産投資に挑戦していました。

ホノルルの市街地のコンドミニアムの一室から所有、賃貸運用を実施し、ニーズの強さが助けとなって、順調な運用成績となっているのだとか。
今ではホノルル市内にいくつも物件を所有していて、毎月一定の賃貸収入が入ってくるそうです。

不動産投資がうまく回れば、月次で安定的に資金が入ってくる・・・。
考えてみれば、あたり前なのですが、改めて新鮮だったとともに、これなら老後に向けた収入源として最高じゃないか!と感じ、家に帰ってさっそく妻と相談を始めました。

家族の心配もあったが説得。自己資金と銀行ローン活用によって不動産購入を開始

銀行家に帰って妻に相談しましたが、私同様、投資に何の縁もない妻でしたので、最初はもちろん心配し、あまり乗り気ではありませんでした。
むしろ息子の方が、「まあやってみたら?」という感じでした。
若い人間の方が、こうした話に対する距離感は近いのかもしれません。

妻の不安を取り除くのには、少々時間を要しましたが、不動産投資それ自体が私たちの状況に合っていることや、ハワイの不動産市場がとても順調である点などを丁寧に説明し、最終的には購入に進むことになりました。

今は日本の金融機関で、ハワイの不動産担保のローンが低金利で借りられることも、妻を安心させるのに一躍買いました。
近年普及したサービスなのだそうですが、優良な不動産業者を介する等の制約はあるものの、1ベッドルーム以上の物件から固定資産税評価額の60%程度まで借りることができるというのです。

私は投資の入り口を先のセミナーでの体験談も参考に、ワイキキ地区のコンドミニアムと決めていました。
物件がやや高く、利回りは下がりますが、ワイキキ地区に住みたい人が無数にいるだろうということを考えれば、ここで着実に賃貸収入を上げていくのがいいだろうと考えました。

結局ワイキキ周辺で比較的ボリュームゾーンと言われている1ベッドルーム40万ドル圏の物件を、賃貸用として購入しました。
短期間のホテルとして貸し出すか、賃貸で貸し出すかは、若干悩みましたが、税制上、賃貸の方が安いというルールがハワイにはあったので、基本的に賃貸用で考えていました。

40万ドルの内、60%程度までローンで充当可能でしたので、24万ドル=2600万円弱をローンで充当、残りの1600万円は自己資金から賄いました。
この時は一定程度、自己資金があってよかったと思いました。
海外不動産で担保ローンが組めるとはいえ、まだまだフルローンにはできないので、一定程度、自己資金で充当する必要が出てきますので。

基本的には、投資を始める時点では自己資金が必要な点は、注意が必要だと思いました。

実際に購入、賃貸運営をしてみると、想定外の費用が発生

40万ドル程度の資金手当てが終わり、無事物件の購入に至りました。
購入時にもう少し費用が掛かるのではないかと思っていたのですが、1万ドルにも満たない額で済みました。
業者にもよるのかもしれませんが、ハワイの場合、買い手は仲介手数料を払わないのが一般的のようで、正直日本より安い印象でした。

一方、驚いたのが、購入後にかかったコストの高さでした。
まず、そもそも貸し出しを始める前に、一部排水管や天井など、メンテナンスが必要な状況でした。

さほど古い物件ではなかったので、多額とまでは言いませんが、まだ収益が発生していない中で手痛い出費となったのは確かでした。
ただ、メンテナンスコストはまだいいでしょう。

一度で大半が終わり、その後、かかる頻度は低くなりますから。
それよりも想定外だったのはランニングコストでした。

固定資産税についてはかかることはわかっていたし、正直ホノルルは低い方と聞いていたので、あまり気にしていなかったのですが、そのほかに「レンタル税」というものがかかることに驚かされました。
これはいわゆるGET(一般消費税)にあたるものですが、ハワイの場合は賃料にも4.5%のGETがかかります。

これは正直想定外でした。
それでも短期滞在として貸した場合は、より高率となるらしいのですが・・・。

そして最後に一番大きいのが「プロパティマネージャ」へのコストです。
いわゆる物件管理にかかるコストです。

賃料の10%程度と言われていたのですが、購入した物件はやや高く、14%くらいありました。
もちろんこちらは借り手に一定程度は負担させているのですが、フルに負担させると、家賃をあまり高くするわけにもいかず、結局差し引きで見ると、想定ほどすぐには儲からないというのが初期の印象でした。

それにしてもホテルのように短期貸しすると、このマネージ費用は5%にもなるそうです!
先ほどの税金のことと言い、「ホテルとして貸し出すのは正直初心者には難しそうだな」と思いました。

幾ばくかのプラスが出始めた矢先のトラブル

落胆このように様々な費用が発生したため、正直当初の期待ほど、収益は出ませんでしたが、ローンを払って行けば、売却時にもキャピタルゲインが見込めることも考えれば、何とか頑張れるレベルではありました。
幸いまだ働いているので、月々のローン支払いは、実質私の給与から行っている状況で、資金的にも余裕がありました。

やがてしっかり住人が付き、安定的に賃貸収入が入るようになってきました。
セミナーや業者のアドバイスにもあったのですが、管理費回収のために、無理な家賃を設定しなかったことがスムーズに借り手がついた要因になったように思っています。

最初の住人は大体1年強住んでいました。
収支も安定し、「放っておけば月次でお金が入ってくる」状態になっていて、不動産投資はやっぱりこういうところがいいなぁと感じ始めていた矢先、プロパティマネージャから連絡があり、住人が退去したとのことでした。

ずいぶん急だなと思っていたら、何と夜中に最低限の荷物だけ持って、いなくなってしまったそうです。実質的な夜逃げです。

それだけならまだいいのですが、その住人は部屋を汚すだけ汚して出ていった上に、最後の家賃ほぼ1か月分を踏み倒していってしまったのです。
どうも米国外に行ってしまったようで、正直素人では家賃の催促は、非現実的な状況でした。

結局1か月分の家賃が無くなり、さらに信じられないほど汚された部屋のクリーニング代がかかってしまいました。
クリーニング代については、積み立てられていた修繕費用から一定程度、捻出できたとは言え、そこまでの1年強の収入がほぼほぼ飛んでしまいました。

一時は売却も考えたが、粘り強く継続した所、収支は安定

この時は正直もう嫌になってしまって、売却してしまおうかとも思いましたが、売却するのにも費用はいくつかかかりますし、不幸中の幸いと言いますか、収入が飛んだ程度で済み、マイナスにはなりませんでした。
仮に売却時の価格が不変だとすれば、ローン支払い分が資産として蓄積している、と考えれば、あながちまだ完全に損しているとも言えないとプラスに考えました。

また、あくまで「汚された」だけで、部屋の壁や構造などを破壊されたわけではなかったので、クリーニングを終えれば、また貸し出せる状態に戻せました。
現在のクリーニング技術は、素晴らしく、まるで何事もなかったかのように部屋は、元通りになりました。

惜しまずにクリーニング代を出したことも幸いし、その後は比較的短期間で再び借り手がつきました。別に選んだわけではないのですが、今度は女性が住み始めたとのことでした。

もちろんたまたまではありますが、その後は目立ったトラブルも、家賃の遅滞もなく、運用が続いています。この女性は実は今の住人でもあります。

幸いにも当時から2年強家賃を継続して支払いいただいております。収支も安定しており、多少のクリーニングも心配ない状況になりました。部屋を壊されるのだけは勘弁願いたいものですが。

大体、物件購入時からの実質利回りで言うと4%くらいになっているでしょうか。これは物件価格が高く、利回りが出にくいホノルルでは、まずまずの数字とのことです。

ローンを支払いながらも、ある程度手元資金に余裕が出てきており、もし可能だったら定年までにもう少し投資物件数を拡大できないかな、と最近は考えたりしています。

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