この記事を読んでくださっている方は、お手持ちのハワイのコンドミニアムの値動きを見ながら、キャピタルゲインを意識されている、あるいは不動産をキャッシュ化したい事情があって、ハワイコンドミニアムの売却方法や注意点などを知りたいと考えられている方が多いと思います。

私は1年前にワイキキシェアというコンドミニアムを売却し、結果的に購入時よりも高く売ることができたため、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を手にすることができました。
日本で分譲マンションの投資運用の経験はあったとはいえ、海外で不動産を売るのは生まれてはじめての経験で、なにかと、とまどうこともありました。
幸い、優秀な担当不動産エージェントのおかげでスムーズに取引を完了し、日米両方での確定申告も済ませ、最終的な利益を確定することができました。

ハワイと日本では、不動産売却手続きに似ているところもあれば違うところもありました。
いま振り返ると、事前に流れを頭に入れておいた方が、もっと気持ちの余裕を持って取引できたかなという気持ちもありますので、同じように今後ハワイ不動産売却を考えておられる方にぜひ体験を共有したいと思い、筆をとりました。

私の状況が必ずしも皆様にあてはまるとは限りませんので、必ずご自身でご検討いただき、不動産エージェントからよくアドバイスを聞かれることをおすすめしますが、何かの参考になりましたら幸いです。

ハワイのコンドミニアムを買ったわけ

ハワイのコンドミニアムを購入した理由は、初めてのハワイ旅行ですっかりハワイの魅力のとりこになってしまったからです。
一歳になった娘を連れての家族旅行でしたが、アロハスピリットにあふれる、おおらかな空気の中で子連れでも全くストレスなく、家族全員ゆったりした気分で、1週間を過ごすことができました。

美しいビーチや自然に囲まれ、食事も口にあい、ショッピングも楽しめるハワイが大好きになり、毎年夏休みはここで過ごそうと私たち夫婦は決意しました。
どうせだったら現地にコンドミニアムを買って、毎年ホテルのアレンジや宿泊代の心配をすることなく快適に過ごし、また使わない間はホテルとして貸し出して資産運用もしたいと考えるようになり、さっそくコンドミニアムの見学をはじめました。

ハワイ不動産はロケーションが大事ということでしたので、エリアはとりあえずメジャーなワイキキビーチ周辺にしようということになりました。

コンドミニアム選びで重視した点

購入を決定してから、ワイキキビーチを中心にいくつかコンドミニアムをまわりはじめました。
その際に重視したのは、なんといっても自分たちが使うときに満足がいく、快適で美しい部屋であることと、売却時の資産性を重視して、何らかのセールスポイントがある部屋ということです。

ハワイには毎年多くの観光客が訪れますので、ワイキキ中心であれば、あまり賃借人探しに苦労しないとは言われています。
しかし、多くのコンドミニアムが立ち並んでいる状況を考えると、ライバルはたくさんいるともいえますので、その中でもより選ばれやすい魅力的な物件を購入したいと思いました。

いくつかのホテルコンドミニアムに試しに宿泊してみましたが、最終的にワイキキシェアというコンドミニアムにしました。
ワイキキシェアのホテルコンドミニアムでオーシャンフロントの部屋は、ここだけしかないので、とても人気の物件です。

ホテルの部屋もオーシャンビューかどうかで宿泊代が変わりますので、ハワイファンの多くは、ホテルのベランダから見渡せる一面の青い海が大好きだと思います。
ワイキキシェアは2連泊でないと、ゲストでは泊まれないなどの制限があり、また、夏休みなどは予約が混み合いますので購入してよかったと思います。

我が家では毎年10日くらい家族で利用していました。
また、幼稚園のママ友のご家族にも、ハワイ旅行でお貸しして大変喜ばれました。

運用から売却決意まで

私は約5年間、ワイキキシェアの部屋を所有、運用していましたが、その間の運用利益は約4%程度でした。
日本での分譲マンションも3件所有していますが、だいたい利回りが4%前後ですので、それほど違和感がありませんでした。

また、コンドミニアムを保有していた期間中に、空室時期はありませんでしたので、継続的に安定収入が得られてよかったと思います。
ワイキキシェアは購入額が比較的高額でしたので、利回りとしてはそれほど大きくは出ませんが、私は投資では利回りよりも、安定性を重視するタイプですので、満足をしています。

売却を考えたのはふと物件の現在価格が気になり、ワイキキシェアを購入して以来、お付き合いをさせていただいていた不動産エージェントの方に調べてもらったことがきっかけです。
思いがけず購入時よりも日本円で600万円程の値上がりをしており、これまでのインカムゲインも足すと、大きくプラスになり、目標を達成できそうです。
また、最近カカアコなどの再開発も進んできており、別のコンドミニアムを持つことも選択肢にいれて、利益を確定したうえで、探し始めようと思いました。

売却の流れ

ステップ

不動産エージェントの選定

私は購入した際と同じ不動産エージェントの方に、売却もお願いしました。
日本語も堪能でスマート、不動産エージェント暦20年のベテランな女性で、購入時からとても信頼できる気持ちの良いお取り引きをさせていただいたので、今回お願いすることに全く迷いはありませんでした。

ハワイの不動産エージェントは、日本の不動産会社の宅建士が従業員として固定給をもらっていることが多いことと対称的に、フルコミッションで、自分の費用負担とリスクで仕事をする、個人事業主としての働き方をします。
そのため、個人のカラーがでやすいので、相性というものは非常に大切だと感じました。

ハワイの不動産エージェントは、専任契約が一般的ですので、日本のように複数の事業者にお願いするようなパターンはありません。
ハワイの不動産エージェントは、100社以上ありますので、その中で自分の大切な資産の売却を任せられ、信頼できるエージェントを選ぶことは、非常に大切です。

売却価格の決定とMLSへの登録

売却手続きはまず実際の査定を踏まえて売却価格を決めます。
毎年固定資産税を決定するためにアセスメントという通知がきて、そこでおおまかな不動産価格はわかるのですが、実勢価格は違うこともあります。

不動産エージェントは競合物件の売買履歴などを確認して、実勢価格を教えてくれます。
私の場合はアセスメントよりも高い価格でしたので、嬉しい驚きでした。
こんなに高値で売れるのか、正直心配にもなりましたが、オーシャンビューの人気物件なので、多少強気でいっても買い手がつくだろうという見通しと、特に売り急いでもいない状況でしたので、大船にのったつもりで売り出し価格を決めました。

なお、念のため、売り出し価格を決めるとともに、交渉によって、落としても良い下限額も不動産エージェントに伝えておくとよいです。
このようにすることで、不動産エージェントが交渉しやすくなり、良い結果につながるからです。

その後、不動産エージェントに代理を依頼する契約を締結します。
契約終了後、不動産エージェントがMLSという不動産データベースに登録してくれます。

MLSはすべての売却不動産が登録される米国の不動産データベースです。
日本にもレインズという類似のデータベースがありますが、米国は透明性担保のためにMLSに登録しないで、不動産エージェントが囲い込み案件などにして販売すると、厳しい罰則を課しています。

網羅性や情報の多さという観点では、MLSのほうがはるかに充実したデータベースではあるといえます。
MLSに加えて、不動産エージェントが自身のサイトや不動産情報雑誌などでも広告をしてくれます。

MLSに登録してもらってすぐ数件の問い合わせがありました。
可能な限り内覧してもらったほうがいいという不動産エージェントの勧めにしたがい、オープンハウスといって、買主エージェントと買主が部屋の中を内覧しにくる機会を何回か設定してもらいました。
日時と相手の連絡をメールでもらい、様子を報告してもらうだけで、内覧対応などは、不動産エージェントがすべて対応してくれるので、ほぼ面倒なことはありませんでした。

契約手続き

結局希望額での買取に承諾してくれた買主がいましたので、売買契約手続きにすすみました。
契約書のPurchase Agreementは、英語でしたが日本語訳がつけられており、不動産エージェントが電話で丁寧に説明してくれました。

雛形といって、定型条件の契約書に、物件価格や引き渡し時期など個別の情報を入力してもらう形です。
契約条件に納得がいったら、契約書を郵送してもらい、そこに署名をします。

物件を買ったときは不動産エージェントに手数料を支払いませんでしたが、売主は売主の不動産エージェントに売却代金の6%を支払う必要があります。
売主の不動産エージェントは、そのうちの3%を買主のエージェントにシェアします。

ハワイの不動産価格は高額ですので、6%の手数料はなかなかのインパクトがありましたが、自分が買主のときに支払わなかったので、こうやって持ち回りなんだな、という納得感はありました。
アメリカ人は一生のうちに何度も不動産取引を経験し、家を住み替えていく頻度が高いので、こういった商慣習が生まれたのだと思います。

並行して、売主の義務として、シロアリ検査を行う必要があるということでしたので、不動産エージェントがシロアリ検査業者を手配してくれました。
シロアリ検査が必須ということは、驚きだったのですが、これもメールベースで依頼し、不動産エージェントの立会いのもとで検査業者が実施してくれ、結果もメールで受取ることができました。
結果は、シロアリはいないということで安心しましたが、万一発見された場合は、売主負担で駆除をしてもらわなければいけないようです。

エスクロー

次に買主側が指定してきたエスクロー事業者に委託をします。
エスクロー事業者とは、日本では聞きなれない言葉ですが、ハワイの不動産を売買するときは、ほぼ必ず必要になります。

エスクロー事業者とは一言でいうと、決済手段と登記移転処理を、買主からも売主からも中立の第三者の立場に立つエスクロー事業者が行うことにより、確実に金銭の授受と不動産の権利移転が対価交換として行われることを担保する仕組みです。
買主はエスクロー事業者に、手付金を2回に分けて支払ったのち、残金を銀行が振り出す小切手で振り込みます。
不動産登記を買主に移転するまでに、売主と買主双方の署名を行い、エスクロー事業者は不動産登記の日に物件の清算をすませて、クロージングステートメントという支払明細を売主買主双方に送ります。

クロージングステートメントは、エスクロー事業者に支払われる手数料、物件の売買価格やその内訳、諸費用などがすべて記載されています。
クロージングステートメントには、物件の価格や敷金、固定資産税額や権利保険の費用や、登記費用といったすべての費用が記載されます。

エスクロー事業者は入金を確認し、不動産の登記を売主から買主に移転します。
私は、物件を購入した際に、ハワイで現地の銀行口座を開いていましたので、エスクロー事業者からは、ここにお金を振り込んでもらいました。
エスクロー事業者とのやり取りも、不動産エージェントがやってくれます。

ハワイ不動産の売却税

ハワイ不動産の売却については、日本とハワイで二回確定申告をしました。
私は日本に住んでいますが、このようにハワイに居住していない人が、ハワイに所有している不動産を売却するときには、売却価格の20%が源泉徴収されます。
そのため、買主から振り込まれた額は、思ったより少ないなという印象を受けました。

20%のうち、15%がアメリカ連邦に払う税金、5%がハワイ州に支払う税金です。
ご存知のようにアメリカは、連邦制で各州の自治が尊重されており、連邦法と州法どちらも遵守する必要があります。

税法についても例外ではなく、連邦の税法とハワイ州の税法にしたがって徴収されます。
IRS(アメリカの税務局)としては、非居住者だと、納税をしないで国外に出てしまった場合、税金の回収が困難になってしまうので、徴収しそびれがないように、確実な源泉徴収税にしているのだと思われます。

20%徴収だと、非常に高いですが、売却益に相当する金額以外の課税分については、確定申告をすることで、還付されるのでご安心を。
私は不動産エージェントからつなげてもらったCPA(米国公認会計士)に依頼して手続きをしてもらいました。
もしキャピタルゲインが出なかった場合は、全額が返金されるそうです。

また、日本の税法は日本の居住者に適用されますので、日本でも譲渡所得(=キャピタルゲイン)に課税されます。
ただし、こちらも確定申告を行うことにより、米国で支払った税額については、還付されます。

アメリカと日本は租税条約という条約を結んでいます。
外国税控除といって、同じ所得にアメリカでも日本でも二重に課税されるのは、納税者に酷であるので、アメリカのように租税条約のパートナー国で課税された分については、日本でさらに課税されないように調整されるのです。
一瞬持ち出しがとても多いように感じますが、このように日米両国において、還付手続きがありますので、慌てずに対応しましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。
このように書くと、とてもややこしい手続きに見えますが、一旦信頼できる不動産エージェントを決めて流れに乗ってしまえば、あれよあれよという間にことが進みましたので、それほどの困難は感じませんでした。

私の場合はたまたま値上がりをしていることを知って売却ができたので、非常にラッキーともいえますが、不動産エージェントに言われて、なるほどと納得した点としては、決断が非常に大切ということです。
不動産市場は日々変化するものですし、ハワイ現地にはそうそう行けないので、ゴールをしっかりと不動産エージェントと共有したあとは、勇気をもって決断することも大切だなと思いました。

ハワイは大好きな場所ですし、前回の投資も非常に満足がいく結果となりましたので、次の夏休みにはカカアコ地区のコンドミニアムにいくつか泊まってみて、新たな投資候補を探したいと思っています。
為替レートを気にするのが嫌だったのと、資産運用の一貫で売却代金は、米ドルでそのままハワイの銀行口座においていますので、購入資金にはそれを充てようと考えています。

次の投資作戦としては、ハワイは今後10年間も景気が上昇すると見込まれており、物価があがると、賃料も物件価格も連動してあがることが通常ですので、次回は長期スパンでの保有も検討してみようと思います。

この記事が皆様のハワイ不動産売却の成功の一助になりましたら、このうえなく幸いです。

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