利回り

太陽が輝く南のリゾート地として絶大な人気を誇るハワイ。
気候や土地に魅せられて、ハワイに物件を持ちたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

ハワイは世界有数のリゾート地であり、人気が高い場所なので不動産投資にも最適な土地だと言えます。
しかし、ハワイ不動産の「利回り」は決して良くありません。

本記事では、それでもハワイの不動産をおすすめする理由、また利回りの計算式や考え方について紹介していきます。
ハワイに不動産を所有することを考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

「利回り」とは?

不動産投資において、非常に大切な概念が「利回り」です。利回りとは、「投資額に対する利益」を意味し、投資全般に利用される言葉です。

つまり、「利回りが良い」とは、「費やした金額に対して利益が多い」ことを意味します。そのため、投資を行うときには利回りを計算して、採算が合うようにするのが一般的です。

利回りの計算方法

「利回り」の計算方法は、複数存在します。
最もよく利用される表面利回りや純利回り、両者の良いところを兼ね合わせた総合利回りなど、いくつかの計算方法がある中から、状況によって利用する式を変えるのが普通です。

本章では、使用される頻度の高い「表面利回り」と「純利回り」の計算方法について説明していきます。

表面利回り

利回り計算の中で基本となる計算方法が「表面利回り」です。
表面利回りの計算式は以下の通りです。

表面利回り=1年あたりの家賃収入÷物件購入価格

不動産を購入して賃貸として貸し出す場合、購入費以外にも修繕費や税金などのお金がかかることになります。
しかし、表面利回りでは上記のような必要経費は計算に入れません。また、表面利回りの家賃収入では、空室がでることを想定していません。不動産投資をするときには、家賃収入の有無は非常に重要です。

万が一、物件に空室ができてしまった場合、投資額に対する利益、すなわち利回りは悪くなってしまうからです。とはいえ、利回り計算において、未来における空室を加味して計算することは不可能です。

そのため、表面利回りで、数字上全ての部屋が満室であることを想定して計算をするのです。結果として、空室の期間が長くなった場合、表面利回りの計算で出た数字よりも実際の利益が低くなります。

純利回り

純利回りの計算式は以下の通りです。

純利回り=(実際の家賃収入—コスト)÷物件価格

純利回りは表面利回りとは違って、実際のコストを考慮して計算しています。

コストには、以下のようなものが含まれます。

  • 固定資産税
  • 管理費
  • 火災、地震等の保険料
  • 修繕積立費
  • 空室損失費用

純利回りの計算では、実際にかかる諸経費を加味して計算します。ここが表面利回りとの大きな違いです。

この経費を考慮した計算をするため、純利回りは表面利回りよりも実際の利益に近い数値を求めることができるのです。

ただし、経費を考慮する分、純利回りの計算で求まる利益は、表面利回りで求まる利益よりも少なくなります。
しかし、逆に言えば、より堅実な数字が求められるとも言えます。不動産投資は長期的な戦略が大切になるため、大まかな計算だけでなく、純利回りのような細かな計算も重要です。

また、複数の計算方式で利回りを出すことは、事前に物件にかかる経費がどれくらいなのかを判断するのにも有効です。
一口に「利回り」と言っても式によって表す結果が異なるため、「利回り」という表現を見つけた際には、それがどのように計算されたものなのかを把握しておくことが大切です。

ただし、不動産サイトによっては利回りの計算方式まで明らかにしていない場合もあります。
購入を検討している物件がある場合、その利回りはどのように計算されたものなのか、きちんと担当者に確認するようにしましょう。

不動産の利回りは最高?投資として不動産が優れている理由

「利回り」は投資全般に用いられる言葉です。
利回りの観点から不動産と他の投資を比較してみると、不動産はとても利益が高く安全性が高いということが言えます。

不動産投資には、以下の3つのメリットがあります。

長期的な価値の安定性がある

株式や仮想通貨などの投資との決定的な違いは、「実物があるか否か」という点です。例えば、株式投資ではその会社が倒産してしまったら、その株式はただの紙となってしまいます。時間が経っても戻ってくることはなく、価値はなくなってしまうのです。

一方で、不動産はどんなに価値が下がっても、物件としての価値は残り続けます。ただし、リーマンショックなどの世界的恐慌が起こる可能性はあります。

とはいえ、経済は常に変化するため、その状況が永久的に続くことはありません。
様々な要素によって投資の状況は変化しますが、不動産は長期的にみて、安定性が高いということが言えます。

価値がゼロになることがない

では、火事や地震などの災害で、現物としての建物がなくなってしまった場合はどうでしょう?
それでも、不動産の場合は土地が残ります。

そのため、価値が下がる可能性はあっても、完全に資産がゼロになることは考えられません。
したがって、投資をするにあたって、なるべくリスクを減らしたいと考える方には、不動産投資は最適だと言えます。

安定した収入源となる

賃貸として不動産を貸し出す場合、家賃収入として長期的で安定した収入を期待することができます。
この家賃収入は大きく下がることはないため、安定した収入になりやすいという特徴があります。
安定しているからこそ、将来の私的年金として活用することも可能です。

一方で、株や仮想通貨などの流動性が高い投資では、価値が長期間安定することは基本的にありません。
その代わり大きな利益を得ることは、できるのですが、逆に大きな損失を被ってしまうことも十分あり得ます。
細く長い収入源を確保したい方には、不動産投資が向いています。

ハワイの不動産は利回りが悪い?それでもおすすめする理由

利回り
ハワイの利回りは4%〜10%未満となることが多く、決して利回りが良いとは言えません。
しかし、ハワイの不動産は常に投資先として人気を集めています。その理由は、節税効果にあったのです。

減価償却とは

節税効果について深く理解するためには、「減価償却」という概念を理解しておく必要があります。
減価償却とは、購入したものを使用する年数で割って、1年あたりの金額を毎年経費として計上する会計方法の一つです。

例えば、あなたが500万円で社用車を購入したとします。そして、この社用車を10年利用するとします。この利用年数は公的に定められており、正式には「耐用年数」と言います。500万円を払って車を購入したのは、今年ですが、利用する期間は10年間です。

このような場合、一年あたりの利用料は、以下の式で求めることができます。

500万円÷10年間=50万円

上記の計算式から、一年あたり50万円を車の経費として、計上できることがわかります。
つまり、購入した資産を経費として計上することにより、毎年支払う税金を減らすことができ、その結果、節税になるのです。

ハワイの不動産は建物の評価額が高い

会社を経営している人にとって、この減価償却がもたらしてくれる節税効果は、絶大です。
しかし、この減価償却は「消費されるもの」にしか適用されないという点には、注意が必要です。

つまり、不動産投資でいうと、建物のみが減価償却費として、計上できることになります。
ここでポイントとなるのが、ハワイの不動産評価方法です。

日本の場合、年数が経過するとともに建物の価値が下がり、不動産価値に占める土地の割合が大きくなります。
具体的な数字でいうと、建物の割合が3割、土地の値段が7割くらいになるのが一般的です。

一方、ハワイの不動産は日本と違い、時間が経つと、建物の価値が上がります。
つまり、減価償却として計上できる割合が、日本の不動産よりも圧倒的に多くなるのです。
これがハワイ不動産を購入する最大のメリットであると言えます。

また、耐用年数が過ぎ、減価償却としての利用が終了した後は不動産を売却し、キャピタルゲインを期待することもできます。
建物の価値が下がらないため、ハワイでは中古物件の売買も非常に盛んです。

また、ハワイ不動産を購入する人は、世界中からやって来るため、売りたいと思った時に買い手がつきやすいのも魅力です。
このようにハワイ不動産の場合は、家賃収入に期待せず、高い節税効果を得たい場合におすすめだと言えます。

節税効果がより高いハワイ不動産

ハワイの不動産は、基本的に土地よりも建物の価値が高く評価される傾向にあります。
そんなハワイで、より節税効果を上げるにはどうすれば良いのでしょうか?

まず大切なのは、その物件の建物比率を購入前に確認することです。
ハワイでは土地3割、建物7割というような評価比率が一般的ですが、中には土地2割、建物8割というような物件もあります。
当然、建物の価値が高ければ高いほど、減価償却として計上できる数値が大きくなるため、節税効果は上がります。

しかし、あまりにも土地の価値が低すぎる物件には注意が必要です。なぜなら、土地の価値が低すぎる物件は、立地や条件が極端に悪い場合があるからです。このような物件は、売却時に売れにくくなってしまう可能性があるため、キャピタルゲインを期待しづらくなります。

また、減価償却をする場合には、建物の構造や築年数も重要です。
というのも、ハワイ不動産では建物の構造によって耐用年数が変わるからです。

例えば、耐用年数22年を過ぎた木造の物件では、4年で減価償却ができます。
つまり、この物件を4000万円で購入した場合、毎年1000万円分を経費として計上することができるのです。1年あたりに経費として計上できる数値が大きいということは、それだけ節税効果があると言いえます。

また、最終的に購入した物件を売却しようと考えている場合でも、ハワイの中古物件は有利です。
なぜならハワイ不動産においては、築年数が経過しているからと言って、人気が落ちるということはないからです。

特に立地や眺望が良い物件は、メンテナンスさえされていれば、何年経っても需要があります。
そのため、減価償却をしたいと考えている場合は、積極的に中古物件をあたってみるのがおすすめです。

利回りが良いのはどっち?ハワイ不動産VS日本の不動産

では、日本とハワイではどちらがより利回りの良い物件が多いのでしょうか。
今回は、東京を例として考えてみたいと思います。

利回りを良くするためには、「購入価格が安いこと」、かつ「高い家賃収入を期待できる物件であること」という、両方の条件を満たしている必要があります。
東京の不動産物件は、利回りは悪すぎないものの、決して良くはありません。

2017年に行われた不動産投資家調査※1によると、東京の利回りの平均的な値は4%台が大半です。
アジア新興国では利回りが10%を超えることが多く、中には数十%にもなる物件があることを考えると、この数値はあまり高いとは言えません。

一方、ハワイの利回りはどのようになっているのでしょうか?
ハワイの利回りは東京と同じ4%~10%未満になることが多く、他国と比較しても、突出して高いわけではありません。

ただし、ハワイ不動産は日本と違って、減価償却率が非常に高いのがポイントです。
購入した物件を数年で減価償却できるということを考慮すれば、実質的に利回り10%を超える物件と同じような資金繰りが可能となるのです。

ハワイも東京も、数値的な利回りはほぼ同等です。
ただし、税金対策として不動産を購入しようと考えている場合、ハワイ不動産の利回りはより優れていると言えるでしょう。

※1第36回不動産投資家調査
http://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2017/05/97da1b947e307ba6d1a3bb5e310f95a8.pdf

「利回り」を考える際のリスク

ハワイ不動産の利回りについて考える際に、知っておくべきリスクがいくつかあります。
リスクを知らないまま購入してしまうと、思っていたように物件を活用できなくなってしまう可能性もあります。

本章では、ハワイ不動産で重要な3つのリスクについてご紹介します。

経費がかかりすぎる

30日未満の短期的な貸し出しができるバケーションレンタルは、ハワイと日本を往復するようなライフスタイルを送る方に最適な方法です。
しかし、法律上バケーションレンタルは、一般的なコンドミニアムでは行うことができません。
バケーションレンタルを行う際には、ホテルコンドミニアムと呼ばれる、宿泊タイプのコンドミニアムを購入する必要があるのです。
ホテルコンドミニアムについてさらに知りたい方は「ホテルコンドとは?ホノルルのおすすめホテルコンド」も参考にしてみてください。

しかし、このようなタイプの物件では、ホテルサービス費やクリーニング費などの諸経費が高く付く可能性があります。
例えば、1泊2万円で貸し出しをしたとしても、クリーニング代、予約代行サービスの手数料、ホテルサービス費など、細かな経費がかさむため、大きな利益は期待することができなくなるのです。

単純に純利益を計算した場合、1泊2万円で採算がとれる計算であっても、経費が高くつけば、手元に残るお金は少なくなります。バケーションレンタルなどのホテルプログラムを利用した投資を検討している場合は、利回りの計算だけでなく、経費についても細かく計算しておく必要があります。

管理費が安すぎて管理が不十分

ハワイに永住することを考えている方以外は、ハワイ不動産の購入後は、管理を管理会社に委託することになる場合が多いと思います。その際には、必ず管理費がかかります。
管理費は毎月かかる固定コストですから、なるべく安く済ませた方が良いと考えるのが普通です。

しかし、あまりにも管理費が安すぎる場合、設備のメンテナンス・点検が十分にされていなかったり、居住するのに必要な洗濯乾燥機等の備品がついていないなどの問題が、発生することがあります。このような物件では居住者が決まりづらく、投資としては失敗となるケースが多くなります。

物件を購入する前には、管理費削減などの数字のみに目を向けるのではなく、実際の管理がしっかりと行われているかを確認することが大切です。

空き部屋となる期間が長い

インカムゲインを期待する場合、表面利回りの計算が満室を想定して算出されるという点に注意が必要です。つまり、空き部屋となる期間が長くなればなるほど、利益が下がってしまうのです。
このような事態を避けるためには、貸し出す相手を想定した物件選びが大切です。

例えば、観光客を対象とした中期の貸し出しを行う場合は、ダウンタウンエリアのコンドミニアム、リタイア後の方に別荘として貸し出す場合は、郊外の静かな一軒家がおすすめです。
投資する目的が明確になっていれば、事前にエージェント会社に相談をすることも可能です。

利回り計算の数字にとらわれすぎず、常に入居者がいるような物件を見つけることが、不動産投資として重要なポイントです。

ハワイ不動産の魅力

メリット
節税効果以外にも、ハワイには多くの不動産投資家を引きつける魅力があります。
本章では、ハワイ不動産の魅力についてご紹介していきます。

不動産の価値が安定している

リーマンショックが起こった2008年、アメリカの多くの不動産が、数十%もの価値を失うこととなりました。
しかし、ハワイの中でも特に人気のあるオアフ島は、殆どその打撃を受けることなく、1割程度の価値下落で済みました。

このことから、ハワイには常に一定数の人気があり、価値が下がりにくいことがわかります。
利回りはアジアの新興国ほど高くありませんが、不動産の価値が下がりにくいというのは大きなメリットの一つですね。

特に、ハワイで最も人気のあるオアフ島では、再開発が行われている場所も多く、それに伴って、さらにたくさんのコンドミニアムが建設されています。
ハワイに対する需要は、未だ大きく、さらに再開発によって、長期的な価値の上昇が期待できるのがハワイ不動産の魅力です。

多様な投資目的に対応している

ハワイの不動産投資で最もユニークなのが、バケーションレンタルという貸し出し方法です。
バケーションレンタルは、ハワイを訪れた際は自分が利用し、それ以外の期間は短期間の貸し出しをしたいという方に最適です。

ハワイは年間を通して観光客が多いため、短期間の貸し出しでも十分利益が出ます。したがって、ハワイと日本を行ったり来たりするようなライフスタイルを検討されている方には、ぜひ有効活用してもらいたい貸し出し方法です。

また、ハワイの地価は年々上昇傾向にあるので、キャピタルゲインに期待するのもおすすめです。
ハワイは島であるために、建物を建設できる土地が限られており、中古物件でも価値が大きく落ちることはありません。

そのため、中古物件の売却でも、買い手がつきやすいのが魅力です。
リゾート地であるのにもかかわらず、流動性が高いため、ハワイ不動産は他の海外不動産とは、一線を画していると言えます。

外国人でも購入しやすい

海外不動産となると、大変なのが手続きです。
日本にはないような規則や法律があったり、言葉がわからなかったりと、問題が多く出てきます。

しかし、ハワイの場合、日本語でサポートしてくれるエージェント会社が多く、大抵のことは日本語で済ませられる環境があります。
また、購入売却の際もエスクロー会社という、第三者を挟んで取引を行うことになっているため、安心です。

さらに、ハワイ不動産を購入するときには、日本国内の銀行から融資を受けることも可能です。手続きがしやすく、さらに国内の銀行から融資が降りる海外不動産は、多くありません。

外国人という立場でも購入しやすいのは、ハワイ不動産の大きな魅力の一つだと言えます。

ハワイ不動産おすすめエリア

ハワイは全部で8つの島からなるアメリカの州の一つです。
それぞれの島ごとに特徴があり、物件の購入目的によって、最適な島は変わってきます。

本章では、投資先として最も人気がある、オアフ島のおすすめエリアについてご紹介していきます。

ワイキキ

ハワイ最大の観光地エリアであるワイキキは、ビーチやショッピングモール、様々なアクティビティが楽しめるエリアです。
ワイキキの物件は値段が多様で、希望に沿った値段での物件が見つかりやすいのがポイント。

ただし、ワイキキのビーチやダイヤモンドヘッドが羨望できる物件は、人気が高く、不動産の価値も高いのが特徴です。
一定の人気があるため、不動産価値が安定しており、安心感が高いエリアです。

ダウンタウン

イオラニ宮殿やカメハメハ大王の銅像など、ハワイの歴史的な建造物が多く立ち並ぶダウンタウンエリア。
ハワイの政治の中心としても栄えており、多くのビジネス街を見ることが出来ます。

ビジネス街が近いため、周辺地域で働く従業者の需要が高くなっており、物件の貸し出しがしやすいというメリットがあります。
また、近年ではギャラリーやブティックなどが立ち並ぶ、ハイセンスなエリアとしても、知名度が高くなってきています。

中長期的に賃貸物件を貸し出して、インカムゲインを狙う場合に最適なエリアです。

アラモアナ・カカアコ

アラモアナはワイキキの徒歩圏内にある再開発エリアです。
ハワイ最大規模のショッピングセンターである、アラモアナショッピングセンターがあり、ショッピングや食事が楽しめます。

魅力的なロケーションではあるものの、ワイキキほど騒がしくないため、ゆったりとした滞在を楽しみたい方におすすめです。
また、カカアコと呼ばれるエリアには、ウォーターフロントがあり、ハワイらしい景色が見られるため、人気のある物件が立ち並びます。

再開発エリアは今後も人気が高まってくることが予想されるので、キャピタルゲイン狙いの投資にもおすすめです。

最後に

「利回り」は不動産投資を考える際には欠かせない概念です。
しかし、計算方法によっては、空室を想定していなかったり、経費を計算に入れていなかったりと、落とし穴があるのも事実。利回りは不動産購入における、指標の一つであるということを忘れないようにし、多角的な面から、あなたの希望に沿った物件を探すようにしましょう。

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