不動産投資においては、売却の仕方までしっかりと検討した上で投資判断を行っていくことが肝要です。
とはいえ、実際には初心者であればあるほど、つい「買うこと」に意識がいってしまい、売却時にうまくことが進まなかったり、想定していたキャピタルゲインが得られなかったり、ということもあります。

今回紹介する春日さんも、保有不動産の売却に苦労した方です。
春日さんの体験談を参考にして、売却も念頭に置いた不動産投資を行うようにしましょう。

ハワイのホノルル郊外にコンドミニアムを保有

私は春日と申しまして、ハワイでの不動産投資をかれこれ6年ほど行っております。
いまは保有物件が3つありますが、少し前までは4つ保有していましたが、少し不動産以外の投資も考えてみようと思い、1件現金化した次第です。
売却したのは私が保有している物件のなかで一番古く、初めてハワイでの不動産投資を開始する際に購入したものでした。

当時は不動産投資のコツもよくわからないまま購入してしまったところがありました。
ホノルルの郊外にあった物件だったのですが、人気エリアからは少し離れていました。
「まあ、とはいえホノルル市内だし、大して変わらんだろう」と、当時知識が浅かったこともあり、値段も安かったので軽い気持ちで購入してしまいました。

決して好立地ではない物件だったのですが、幸いにも、運用中はそれなりに借り手もついていて、一応収益も出ていました。
売却を考えたのも別にこの物件での運用を諦めたからというわけではなく、単なる資産ポジションの整理でした。
今になって思えば、あのまま運用を続けていても良かったんじゃないかなという気持ちにもなっています。

まずは税制度の観点からしばらく待つことに

実は売却を考え始めたのは、2年も前のことで、実際に売却するまではずいぶん掛かってしまいました。
まあ、収益を諦めてしまえば速く売ることもできたんですけどね。

当時は税制のことを知らなかったんですよね。
売却益に対して掛かる税率って、購入と売却の期間が>5年以下か以上かで大きく変わるんですよね。

これは日本の税制になるのですが、各種申告などを行えば、例えハワイでの不動産売買であっても、実質的に負担するのは日本の税制の税率ということになります。
ちなみに5年以内ですとキャピタルゲインの39.63%、5年を超えると同20.315%掛かるというもので、20%近くも税率に差がついてしまうのです。

どうしようかとも思ったのですが、すぐに売らなければならないという状況ではなかったことと、すぐに売ってしまって売却益が削れてしまうのもいやだなと思い、5年を越えるまで待つことにしたわけです。
ハワイの不動産市場はとても堅調との理解だったので、正直売却するのはいつでも大丈夫だろうと思っていました。

周辺で新しいコンドミニアムが建つ動きを見て焦って動き出す

焦るそうして、1年強が経過し、保有期間がめでたく5年を越えたわけですが、ちょうどその頃保有している物件の近く、しかも市街地寄りに新しいコンドミニアムが建設されることになったのです。
てっきりそれによって「新しい方にニーズが移ってしまうんじゃないか」と思ってしまったんですね。

こっちの借り手がつきにくくなるし、需給がだぶついて売却する時に値下がりしたりもするんじゃないかと思ったりしました。
その時点で急いで私は売却を決意したわけです。

ただ、そのときはハワイ独特の商慣習を知りませんでした。
物件を売却する場合は、「リアルター」という不動産仲介業者と契約を結ぶのですが、なんと1社としか結べないということがわかったのです。

1社を決めたら、あとはそのリアルターに売却を委ねるしかないのです。
質のいいリアルターかどうかも見定める余地はあったのですが、そのときの私は焦っていて、よくわからないまま、とあるリアルターと契約してしまったのです。

このリアルターのやり方次第で、スムーズに物件売却が進むかどうかが決まりますので、本当は質のいい業者をしっかり厳選するべきでしたし、そもそも日本語でコミュニケーションできる業者を選んだ方が良かったかもしれません。
私自身、多少は英語が喋れるので「まあ大丈夫だろう」、と思っていましたが、実際会話してみると、「やはり日本語のようにスムーズにはいかないな」、と思いました。

リアルター契約後も実際の売却に時間を要した

結果的にその物件はなかなか売却にいたりませんでした。
最終的には買い手が見つからないまま、10ヶ月ほど経過しました。

手数料が多少高かっただけで、リアルターの質はおそらく普通でしたが、物件の立地が良くなかったですね。
結局先に説明した新しいコンドミニアムのせいで、「売りづらい」状況になっていたような気がします。
また、売却を検討している時、普通に住民がいる状態だったので、今考えたら、「コンドミニアムの運用が一巡したタイミングの方がかえって売りやすかったのかもしれないな」、とも思ったりもしました。

ハワイの不動産は概して堅調なので油断しがちですが、人気エリアとそうでないエリアの落差が激しいのもハワイの不動産の特徴のひとつのようです。
ホノルル中心の海岸部、それこそワイキキエリアなんかは、値段は高いものの、簡単に買い手がつくみたいなのですが、そうしたエリアから少し離れると、地域によっては途端に値段も需要も下がるという状況です。

別に次の投資先が決まっているとか、急いで現金化しなければならないという状況ではなかったので、特段問題はありませんでしたが、一方でリアルターとのコミュニケーションが思うように取れなかったため、実質的には「待つしかない」という状況でした。

私はこれまでのキャッシュインでそこそこ収益が出ていたので、最悪購入価格とトントンくらいでもいいと思っていました。
ですので、売値を下げればいいんじゃないかと思ったりもしたのですが、リアルターのフィーが売買価格により変動するので、なかなか売値を下げるに至りませんでした。

それでも最後は説得して、少し安い売却価格を提示してもらうことができました。
これによって、その周辺のリーズナブルな価格になったため、値下げした後、ほどなくして買い手がつきました。
一応それでも購入した時よりは、多少プラスでしたので、まあ良かったかなと思っています。

契約合意後の対応も大変!

契約合意をしたはいいのですが、その後もいろいろ対応しなければいけないことがありました。
まあこれは私だけが、特に苦労したと言うことではなく、一般的に売却する時には、必要な作業なのですが。

売買契約が成立すると、「エスクロー」という仲介者が入ります。契約内容や物件自体に問題がないかを、中立的な立場で確認してくれるのです。

同時に、売り渡す物件の調査なんかも併せて行われたりします。シロアリ検査も行われますが、もしビルにもなっているコンドミニアムの一室でシロアリ問題が発覚すれば、非常に厄介な問題になりますが、今回は、特段問題はありませんでした。

一方室内にいくつか補修が望ましい点が発見されました。
最終的には買い手がOKを出せば問題ないのですが、レポートには破損個所について記載されていますので、もし買い手がこれを合意しなければ、契約が破棄される可能性がありますので、エスクローの指示に従い補修を行いました。

これらのチェックを終え、エスクローが報告書を買い手に渡して合意すれば、引き渡しが進んでいきます。
事務的なフローではありますが、補修費用が意外にかかってしまった点と、エスクローとのやり取りで、大分時間を要した点は、苦労と言えば苦労でした。

税金と手数料で売却益は大半が消えた

お金が飛ぶ値下げをすると、何とか買い手が付き、最終的には無事売却に至りました。
しかし、値下げをしたことにより、大分収益は下がりました。
しかも税金やリアルターに支払う手数料もあったので、実際にはキャピタルゲインは、あまり残りませんでしたね。

特に手数料のところは、日本の仲介手数料のようにどの業者でも同じ、というわけではないようです。
今思うと、ちょっと割高だったんじゃないかなという気もします。ちょっと良くわからないんですけどね。

とにかくリアルターがあまり日本語に堪能ではなかったので、意志疎通を図るのが大変でした。
ハワイだと日系人なども多く、ほぼネイティブな日本語を話せるリアルターも大勢いると後になって聞いたので、この点も失敗したな、という感じです。

まあ、月の賃料収入、いわゆるインカムゲインも加味すれば、一応プラスだったのでよかったです。
この時売却する時に経験した苦労は、勉強料だとおもっていますけど、次に売却するときはもう少し売却しやすい、ホットな物件に投資するようにしようと思いました。
また、売却時期をある程度めどをつけて購入をした方がいいですね。

5年以上は運用する前提で考えていった方がよさそうなので、それ以上は寝かせても問題のない資金でなければ、不動産投資には活用しない方がよさそうです。
立地については、やはりワイキキ周辺やアラモアナといった地域が、コンドミニアムを借りる際には人気のようです。
今後購入するとしたら、オーシャンビューのそうした物件を選択していきたいと考えています。

エスクローについては、どうやってもアメリカの商習慣上対応するしかないものですから、これに限っては今回に限らず、今後も頑張って対応していくしかないというところでしょうか。
シロアリが物件の中に知らないうちにわいてくることのないように祈るばかりです。

まとめ

このように投資初心者であればあるほど、売却することまで意識がいかないまま投資をはじめてしまい、その結果、売却するときに苦労したり、思うように売却が進まなかったりという例は多いです。

春日さんもこれを機に売却する際の手続きに詳しくなり、また購入時点で売却するときのことをよく考えて投資をするようになったとのことです。
これから投資を始める方も、「売却するタイミング」についても念頭に置いて投資を行いたいものです。

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