堅調

REALTORS®のホノルル支所がリリースした記事によると、2018年10月のオアフ島の住宅販売においては、とくに戸建ての販売件数の前年同月比での減少が顕著に見られました。
この記事はホノルルのリアルター(米国の不動産の仲介業者)がMultiple Listing Service(MLS)によって、電子的に集計した売買データを基にして作成されています。

【各種指標の概要と3か月の推移】

戸建て再販

販売物件数 販売価格中央値
件数 前月比 前年同月比 価格 前月比 前年同月比
2018年8月 354 +7.3% -2.2% $810,000 +2.6% +3.0%
2018年9月 309 -12.7% -17.4% $812,500 +0.3% +6.9%
2018年10月 309 0.0% -13.0% $800,000 -1.5% +6.4%

 

コンドミニアム再販

販売物件数 販売価格中央値
件数 前月比 前年同月比 価格 前月比 前年同月比
2018年8月 521 +3.8% -9.4% $427,000 -0.6% +1.9%
2018年9月 511 -1.9% -2.9% $428,000 +0.2% +0.7%
2018年10月 443 -13.3% -9.4% $390,000 -8.9% -1.9%

10月は前月比でみれば、戸建ては同値ではあるものの、前年同月比と比較すると、戸建て、コンドミニアムともに販売物件数が減少しました。
特に戸建ては-13%と、2桁台の落ち込みとなりました。
ただし、販売価格中央値は比較的堅調との見方がなされております。

戸建ては前年同月比では、+6.4%の水準を保っており、順調なレベルと言えます。
コンドミニアムについても$400,000割れではありますが、それでも前年同月比で若干のマイナスにとどまっており、市場では「取引高は小休止も、価格は概して堅調」との見方が広がっています。

足元3か月で見てみると、戸建ては、取引件数が前月並みで、8月対比では大きく低下していますが、8月は取引が活発になる時期であるため、この点はあまり参考になりません。
価格についても同様で、ここ3か月では確かに最低ですが、前月が史上最高値だったことを考えると、むしろこの程度の下落にとどまっているのは、「堅調な証拠」ともみられています。

コンドミニアムについても取引件数については同様で、むしろ前年同月比での落ち込みが市場の注目ポイントとなっています。
コンドミニアムの価格については、今年初の$400,000割れとなっており、戸建てと比較すると、「コンドミニアムは価格も落ち着いている」という印象を持たれております。

10月のオアフ島不動産販売の状況について、REALTORS®のホノルル支所長Darryl Machaは以下のように述べています。

「取引件数の落ち込みは見られている一方で、販売中心価格については、今年の前半や足元までで、高値を記録してきたことを考えると、依然堅調な印象です。
また、一時期ひっ迫傾向にあった足元の在庫は、適切に供給され、増え始めてきている状況で、それが、物件が市場に並ぶまでの日数を長くしている側面もあります。
一方で潜在的な住宅購入検討者にとっては、選択肢が増えることは、購入を後押しする材料になることから、引き続き買い手・売り手双方にとって、安定した環境がオアフ島の住宅不動産市場では継続すると思います。」

このように、単月で見ると、不動産の取引件数の減少が目立った月でしたが、依然オアフ島の住宅不動産市場は、堅調であるとの見方がほとんどとなっております。

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