ホノルル支所のリアルター(米国の不動産の仲介業者)が、Multiple Listing Service(MLS)によって集計した売買データを、月次でまとめている記事を基にして、この2016年全体のオアフ島の不動産販売動向を総括したいと思います。

戸建て再販

販売物件数 販売価格中央値
件数 前月比 前年同月比 価格 前月比 前年同月比
2016年1月 232 -21.9% +10.5% $733,500 +4.8% +8.7%
2016年2月 240 +3.4% +19.4% $700,000 -4.6% +8.0%
2016年3月 297 +23.8% +21.7% $725,000 +3.6% +3.6%
2016年4月 301 +1.3% 0.0% $720,000 -0.7% +6.7%
2016年5月 319 +6.0% +3.2% $719,000 -0.1% +3.0%
2016年6月 324 +1.6% 0.0% $760,000 +5.7% +8.6%
2016年7月 322 -0.6% -4.5% $746,000 -1.8% +5.1%
2016年8月 344 +6.8% 0.0% $747,500 +0.2% +6.9%
2016年9月 329 -4.4% 0.0% $750,000 +0.3% +2.7%
2016年10月 335 +1.8% +7.0% $742,000 -1.1% +3.1%
2016年11月 294 -12.2% +19.5% $750,000 +1.1% +4.8%
2016年12月 341 +16.0% +14.8% $730,000 -2.7% +4.3%
2016年全体 3678
前年比+6.5%
$735,000
前年比+5.0%

 

コンドミニアム再販

販売物件数 販売価格中央値
件数 前月比 前年同月比 価格 前月比 前年同月比
2016年1月 338 -20.3% +18.2% $374,500 -3.0% -1.8%
2016年2月 324 -4.1% +11.7% $378,444 +1.1% +16.1%
2016年3月 491 +51.5% +21.8% $380,000 +0.4% +1.3%
2016年4月 460 -6.3% +1.3% $389,500 +2.5% +5.1%
2016年5月 477 +3.7% +6.0% $373,000 -4.2% -0.5%
2016年6月 548 +14.9% +9.8% $405,500 +8.7% +19.6%
2016年7月 444 -19.0% -2.2% $400,000 -1.4% +14.3%
2016年8月 481 +8.3% +12.4% $398,000 -0.5% +12.4%
2016年9月 512 +6.4% +5.7% $383,250 -3.7% +4.7%
2016年10月 428 -16.4% -5.7% $396,000 +3.3% +7.0%
2016年11月 421 -1.6% +17.6% $395,000 -0.3% +13.7%
2016年12月 525 +24.7% +23.8% $390,000 -1.3% +1.0%
2016年全体 5449
前年比+8.4%
$390,000
前年比+8.3%

1月~12月の各月の概況

1年を通した概況は前章でまとめた通りですが、つづいては、2016年の1月~12月の各々の月の概況を以下に まとめます。

1月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 232件
販売価格中央値 $733,500

・コンドミニアム再販
販売物件数 338件
販売価格中央値 $374,500

1月は同年の別の月と並べてみると、取引は低調に見えますが、前年同月比でみると、2桁増となっており、年初より「今年は取引が活発な年になるのではないか」との見方が広がっておりました。

価格については、コンドミニアムは落ち着いた水準で始まりましたが、戸建てが前値同月比でも前月比でも大きく伸びており、後続の月でも見られる、戸建て価格高騰の始まりとなりました。

2月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 240件
販売価格中央値 $700,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 324件
販売価格中央値 $378,444

2月は例年取引の少ない時期であるため、双方取引件数が他月と比較して少ないのは、あまり材料視されませんでした。(実際、3月になると、取引件数は急拡大しました。)

むしろ、前年同月比でみると、両セクションとも2桁%の件数拡大となっており、「2月としては取引が多い」とさえ見られていました。
実際翌月以降、取引は、活性化していきました。

3月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 297件
販売価格中央値 $725,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 491件
販売価格中央値 $380,000

3月はオアフ島の不動産市場取引件数が、前年同月比で両セクションとも20%を超える大幅な伸びを記録しました。
一時はオアフ島不動産市場に一服感が漂い始めるのではとの見方も出ていましたが、ふたを開けてみれば、季節的要因に過ぎないことが鮮明になりました。

一方でこれ以後、断続的に問題となる在庫不足が鮮明化し始め、特に戸建ての在庫は844と、2004年以来の少なさとなりました。
在庫不足・価格高騰を背景に、戸建てからコンドミニアムへ、検討物件をシフトする動きも見られ始めました。

4月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 301件
販売価格中央値 $720,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 460件
販売価格中央値 $389,500

4月は前月比でみれば、不動産価格は戸建てで下落したものの、前年同月比の上昇具合等を見る限り、引き続き価格は堅調推移と言える状況でした。
戸建ての価格高騰が続いていることを背景に、本来であれば、戸建ての購入を検討している層が、一定程度代替案として、コンドミニアム購入にシフトしている状況が見て取れました。

また戸建てについては、在庫は昨年度より幾分増加しているものの、依然、購入需要対比では少ない状況が続いてて、これが戸建て価格の高騰に作用しているとみられていました。

5月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 319件
販売価格中央値 $719,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 477件
販売価格中央値 $373,000

5月まではハワイの不動産市場の緩やかながら堅調に推移する状況を好感する意見が見られました(但し、その後6月になって急騰することになるのですが)。
サブプライムショック前夜の2000年代中盤と比較しても、急過ぎない無難な市場の価格上昇がみられておりました。

また、ただ価格が上昇してるだけではなく、在庫が市場に出てから成約までの平均日数が、戸建てで17日、コンドミニアムで15日と、短い期間となっていることも、買い手需要が旺盛な状況を示しておりました。

6月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 324件
販売価格中央値 $760,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 548件
販売価格中央値 $405,500

6月は不動産市場では、戸建て・コンドミニアム共に中心価格の最高値を更新しました。
戸建てについては一部の高価格帯の物件成約に引っ張られた側面はあるものの、不動産市場の堅調さを象徴する出来事でした。

結局両セクションとも、同月が2016年で最高値となりました。
また、同月はハワイ州知事により、ハワイの不動産開発を促進する関連法案が施行されたことも、今後のハワイの不動産市場を見通すうえでポジティブなニュースとなりました。

7月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 322件
販売価格中央値 $746,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 444件
販売価格中央値 $400,000

7月は取引件数がともに前年同月比でマイナスとなりましたが、一方で、価格中央値は戸建て・コンドミニアム共に前年同月比でみても、非常に高水準となりました。

価格が高水準で取引件数が落ち込む状況については、買い手の需要が強すぎて在庫供給が追い付いていないことが背景にあるとみられておりました。
歴史的な低金利を背景に、潜在的な購入ニーズが過熱している状況でした。

8月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 344件
販売価格中央値 $747,500

・コンドミニアム再販
販売物件数 481件
販売価格中央値 $398,000

8月はコンドミニアムの価格が、前年同月比で+12.4%と、大幅な伸びを記録しました。
取引件数についても、コンドミニアムについては夏らしい活況となりました。

一方で、戸建てについては取引が前年同月並みではありましたが、潜在的な買い手は数値が示す以上に多いとみられておりました。
在庫が減少していることや、価格が高騰していることを背景に、初めて住宅を購入しようと考えている人が参入しづらい状況となっていました。

9月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 329件
販売価格中央値 $750,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 512件
販売価格中央値 $383,250

9月は本来活況な夏が終わり、取引が落ち着き始める時期ですが、2016年の不動産市場は、そのスローダウンがあまり見られませんでした。

戸建ての取引件数こそ、前年同月比で横ばいでしたが、以下の理由により、不動産需要が引き続き堅調であり、かつ向こう数か月にかけてもその堅調さが維持されるであろうことが想定される状況でした。

・市場に在庫として出てから成約するまでの日数が短い(一戸建てでは16日)
・販売留保件数が、戸建てで前年同月比+9%、コンドミニアムが+14%と高水準

また、買い手の需要が強いため、在庫不足を心配する声も上がっておりました。

10月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 335件
販売価格中央値 $742,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 428件
販売価格中央値 $396,000

10月以降の3か月は、例年販売ペースがスローダウンする時期のはずなのですが、2016年は戸建てもコンドミニアムも、取引件数が前月比で増加しており、オアフ島の不動産需要が旺盛であることが見て取れる状況でした。

当時は、11月の大統領選挙後に、金利上昇するとの観測を背景に、金利上昇前に不動産を購入してしまおうと考えている人が、早めに物件を成約させていることが影響していると思われておりました。

しかし、その後になって振り返ってみると、11月以降も不動産取引が大きく収縮することはなく、やはり単純に旺盛な需要であったことが、今となっては見て取れます。

11月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 294件
販売価格中央値 $750,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 421件
販売価格中央値 $395,000

11月は前年同月比でみると、取引件数は非常に活発でした。
前月比で見れば、戸建ての取引件数の減少は見られましたが、これは季節性のものと市場に受け止められました。

留保件数は、一戸建てが前年比+18%、コンドミニアムが+20%と、高水準であったことも今後の不動産市場を見通すうえでポジティブな材料でした。

この時期はトランプ氏が市場の想定に反して当選した大統領選挙や、各地方選が実施されており、金利や市場動向の見通しに不確実性が漂う状況でした。
それでも取引件数が維持されている状況や、上記留保比率の高さを見るに、不動産購入検討者は同月の価格水準に過熱感を特段感じていない様子でした。

12月の販売動向

・戸建て再販
販売物件数 341件
販売価格中央値 $730,000

・コンドミニアム再販
販売物件数 525件
販売価格中央値 $390,000

12月は例年の傾向から言えば、取引が落ち込む傾向にありますが、2016年のオアフ島の不動産市場は、状況が違いました。
不動産取引件数は、一戸建てが前年同月比で14.8%、コンドミニアムが23.8%と、いずれも2桁増で、前月比でみても、大幅増という結果となっており、オアフ島の2016年の活況な取引状況を象徴する結果でした。

在庫は減少傾向にあった一方、取引の留保件数も多く、翌年にかけても活発な取引が行われるであろう期待感を市場に醸成したまま、2016年という一年を締めくくりました。

不動産市場全体、戸建て、コンドミニアムそれぞれの総括

2016年のオアフ島の不動産市場は、概して1年を通じて堅調な推移となりました。
例年であれば、取引が落ち込む傾向にある年初から、昨年比で大幅な取引増が観測されるとともに、価格も年末のところで見ますと、戸建て、コンドミニアム双方とも前年末比で大きくプラスとなりました。

年の後半には大統領選挙やその結果に伴う金利の上昇なども懸念されておりましたが、金利については幾分上昇したものの、不動産市場の活況な雰囲気を冷やすには至りませんでした。
年末にかけても、取引が落ち着く傾向にあるタイミングであることを加味すれば、取引件数は高水準を維持し、活況さを維持したまま、2016年を締め括りました。

実取引が堅調であるのはもちろんですが、留保件数の増加が度々取り上げられており、翌年に向けても堅調が維持されるであろうと、年末の市場関係者は見込んでおりました。
詳細は2017年に関する記事に譲りますが、実際留保件数が示す潜在的な不動産市場の堅調さは、翌年に引き継がれ、2017年もオアフ島の不動産市場は、概して堅調に推移することになります。

続いて、それぞれのセクションの概況です。
戸建ての方は6月の$760,000がピークとなりましたが、全ての月で$700,000台と、これまでと比較すると、高値圏での推移となりました。

背景には買い手需要の強さと、それに対して売り物件が限定的であることに起因する在庫不足がありました。
特に在庫不足につきましては、2016年の半ばから後半にかけて、市場の話題に上るようになりました。
この傾向は翌年以降にも引き継がれる形となりました。

また、価格があまりに高騰するため、本来は戸建て購入を希望していた層の一部が、コンドミニアムにシフトする動きも見られました。

コンドミニアムについても、堅調であったことは戸建と同様でした。
価格については6月に$400,000台をつけたあとは、大きく下落することなく推移しました。
また、上記戸建ての潜在需要層がシフトする動きが、年半ばから後半にかけて鮮明となりました。

下半期にかけては、選挙の行方が不安視されていた10月の落ち込みはあったものの、概して取引件数の拡大が鮮明になりました。
特に12月にも関わらず、500件代の取引件数は、市場にも驚きをもって受け止められました。

このように2016年の不動産市場が堅調であったことはもちろんですが、留保件数や在庫不足など、2017年以降にも需要の強さが引き継がれるであろう様子も見受けられました。
そして実際に2017年もまた、オアフ島の不動産市場は堅調さを維持することになります。

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