米国のホームオーナーの四人に一人は 20年以上引越しをしていない

米国のオンライン不動産大手のレッドフィン(Redfin)社の調査で、アメリカのホームオーナーの四人に一人は、現在のマイホームに20年以上住んでいることがわかりました。これまでの調査の中で、最も長い年数です。ベービーブーマー世代が定年退職しましたが、従来なら年配の世代がダウンサイジングで買換えに回るはずが、昨年からのパンデミックの影響で保留していることが主な理由です。米国の典型的なホームオーナーは、現在のマイホームに13年住んでおり、10年前の平均の8.7年を大きく上回りました。

これは、従来の住宅の買換えサイクルを変えただけでなく、通常であれば市場に出るはずの物件が出ないため、在庫数が極端に不足する原因になっています。全米リアルター協会(NAR:NationalAssociation of Realtors)の発表では、2020年末の在庫数(inventory)は前年から23%減少し、現在の販売ペースに換算すると1.9ヶ月分しかありません。これは、統計を取り始めてから最低の数字です。NARのチーフエコノミストであるDr.ローレンス・ユン(Dr. Lawrence Yun)氏は、「このような状況のため、2021年と2022年は新規住宅着工と供給がそれなりに満たされないと、現在の需要には追いつかない」と指摘しています。米国の既存住宅市場は、在庫数が5ヶ月から6ヶ月分あるとノーマル、9ヶ月近く、もしくはそれ以上になるとリセッション、3ヶ月前後になると好調と言われます。今回のように2ヶ月を切った状態は、プラス面として捉えることもできますが、危機的な状況でもあります。

売り手の多くは、パンデミック禍で不特定多数の人が自宅に内覧に来ることで、感染リスクが高まることを避けるために、リスティングに出していないようです。また、売りに出して買い手が決まったとしても、現在のように物件価格が上昇している中で、自分たちの新しい住居が見つかるのか不安視する声もあります。極端に少ない販売数と需要の多さのアンバランスが、物件価格上昇の原因です。2020年12月の全米の中間価格は309,800ドルになり、前年同月から13%も上昇しました。

レッドフィン社のチーフエコノミストであるダリル・フェアウェザー(DarylFairweather)氏は、経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall StreetJournal)のインタビューに「今の状況は、大変な供給不足だ」と答え、「今までの米国のライフサイクルと異なり、マイホームの買換えを延期したり買換えをしないということは、購入することに不安があるからだ。それは在庫数の減少になり、マイホームを探している買い手は家の購入がさらに困難になるという負の連鎖につながる」と分析しています。

情報提供
会社名:Hawaii 5-0 Properties, Inc. (ハワイ・ファイブオー・プロパティーズインク)
連絡先:三澤剛史 (Takashi Misawa)
お問い合わせメール:takashi@hi50group.comtakashimisawa@mac.com
電話番号:(808)679-1448, +1-808-679-1448
スポンサーリンク
おすすめの記事