オファー

パンデミック前から販売戸数は減少していましたが、米国の最近の住宅販売状況を見ると、パンデミック禍において販売減少スピードは速くなり、ひとつの物件に複数のオファー(offer:日本の買付証明)が入ることも珍しくなくなりました。販売価格に数千ドル、なかには数万ドルを上乗せしてオファーするケースも数多く見られます。買い手にとって判断基準となるアプレイザル(不動産鑑定評価)やホームインスペクション(専門家による住宅診断)を省いてでも、自分のオファーが目立つようにする買い方も見られます。

その理由のひとつは、3月に入り若干上昇しましたが、住宅購入に史上最低の金利を利用しようとしている買い手が多いことです。その点からも、日本でよくいわれている「アメリカは住宅バブルだ」という説は、現状を正しく理解しているとはいえません。実際に投資として物件を購入する割合は少なく、マイホームの新規購入や買換えの需要で成り立っているからです。

テキサス州の主要都市であるダラスの地元紙に掲載されていた記事では、「1物件に15や25のオファーがある。先週は97もオファーのあった物件があった」とリアルターの声を伝えています。またある物件では、17もオファーが入ったため打ち切りにしましたが、オファーのすべてが販売価格を上回っていました。買い手の大半が物件の内覧をしないでオファーを出していたそうです。

オンライン不動産の大手であるレッドフィンは、「2月は、全米の販売物件の36%が販売価格を上回った。これは統計開始以来最も高い割合だ」と発表しました。最も競争率の高かった地域はカリフォルニア州のオークランドで、販売物件の70.5%が販売価格を上回りました。「このような売手市場になったのは、2006年の住宅ブーム以来だ。前回と違って今回は、買い手の数が売り手の数を圧倒的に上回っている。多くの売り手が売却を躊躇しているのは、売るのは簡単だが買うのは難しいことを熟知しているからだ。このようなマーケットでは、購入経験のある買換え層の売り手が、物件売却後に住宅価格が低いほかの地域に移住する。そして購入の際には、資金力で地元の買い手に打ち勝つのだ」と、レッドフィンのチーフエコノミストであるダリル・フェアウェザー氏は述べ、「住宅価格の高騰が続き、住宅バブルと思う人もいるようだが、これは住宅バブルではなく、あくまでもマイホーム購入という実際の需要なのだ」と指摘しています。

情報提供
会社名:Hawaii 5-0 Properties, Inc. (ハワイ・ファイブオー・プロパティーズインク)
連絡先:三澤剛史 (Takashi Misawa)
お問い合わせメール:takashi@hi50group.comtakashimisawa@mac.com
電話番号:(808)679-1448, +1-808-679-1448
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