ホノルルリアルター協会(HBR:Honolulu Board of REALTORS)が、2021年1月のオアフ島の既存住宅の販売状況を発表したところによると、販売は昨年末からの堅調な販売を継続し、戸建て、コンドミニアム共に昨年対比でそれぞれ、9.8%、3.4%の増加を見せています。戸建ての中間価格は883,000ドルと、2019年12月時との比較では14.7%、12月時とは1.5%それぞれ増えてきており、中間価格の新記録を達成しています。コンドミニアムの市場は、同様に昨年比で5.4%の増加でしたが、12月時の455,500ドルからは0.7%の減少でした。
オアフ島のMLS (Multiple Listing Service) 物件検索情報サイト、HiCentral (HiCentral.com) のデータを精査してみると、戸建ては販売開始されてから成約されるまので日数 (DOM: Days On Market) の中間値は、わずか9日間で、この早いペースは2020年9月時に記録されたのと同じで、最も短い日数となっています。また、成約されるまでの日数が短かっただけでなく、セラーは複数のオファーを受けていて、全体の戸建ての成約件数の半分以上の54.6%がこの状態でした。コンドミニアムは、成約までにかかる日数は戸建てよりは長く、18日間でしたが、2020年1月時よりは45.5%、半分近くに短縮されてきています。コンド市場での復調ぶりは、全体のほぼ30%の成約が販売価格以上だったことで、この比率は昨年1月時の3倍以上となっています。
2021年HBR会長、シャノン・ヘヴン女史は、「より多くのバイヤーが、米国史上最も低い住宅金利を利用し、マイホームあるいはセカンドホームなどの購入で市場に参入しており、加えて新規の販売物件の減少などが加味され、住宅が飛ぶように売れている状態です。このような状況下での住宅購入は、ご自分でなくプロであるリアルターのアドバイス、そして彼らの的確な方向性を受けながら、準備をしていく必要性が出てきます」と述べています。
戸建ては、オアフ島の中間価格値の上下の価格帯、600,000ドルから999,999ドルの取引が全体の半分以上である、56.4%を占めています。価格帯別の販売は、高額の価格帯での販売が伸びており、800,000ドルから999,999ドルの価格帯が61.5%、100万ドル以上の価格帯が64.1%、それぞれ増加しています。コンド市場では、500,000ドルから699,999ドルの価格帯で35.3%の増加を示しています。
前述のヘヴン会長は、「パンデミック下で、戸建てに集中していたバイヤーの傾向が、徐々に従来のように戻ってきているために、コンドミニアムの販売が増加しています。ですが、今後も戸建て需要は、継続されていくことと思われます」と続けています。
典型的には、一年の始まりである1月には新規の販売物件数が増えるのですが、今年は、戸建てとコンドの両方で、それぞれ14.7%、5.3%減少しており、新規の販売物件数は、戸建てが790件、コンドが1,992件です。これは、現在の販売ペースでは、それぞれ1.4ヶ月分、3.3ヶ月分に相当し、極めて低い状況です。