青い空と広い海、みんなの憧れハワイ。
そんなハワイにいつか住めたら、なんて一度は憧れたことありませんか?
もちろん、ビザの問題や仕事の問題など、すぐに移住は無理かもしれませんが、「投資として回収しながらハワイに不動産を持てたら」なんて、夢が広がるとおもいませんか?

日本でも、最近、「普通のサラーリーマンが不動産投資できる」などと話題になり、気になっている方も多いはず。
でも、どうせ投資するなら、ハワイでできないのか、そんな疑問を解決するために、ハワイの不動産投資について調べた内容をご紹介します。

目次

不動産投資とは

不動産投資とは、簡単にいうと、土地や建物などを取得し、収益を上げることです。
収益を上げる仕組みとしては、大きく2つパターンがあります。

安く買った不動産(物件)を、内装をきれいにする、設備を良くするなどして 、付加価値をつけて高く売却し、差額を得るキャピタルゲイン(不動産売却益)と、購入した物件を、他人に貸すことで、賃料収入を得るインカムゲイン(賃貸収入)です。
もちろん、この二つの組み合わせになることもあります。

日本の不動産投資では、下記の理由により、キャピタルゲイン投資より、インカムゲイン投資が行われる傾向にあります。

・短期の売却では、売却益に対する税率が高くなる
・一部の地域を除いて、不動産価格が大きく落ち込み低迷し、直近も上昇率が高いわけでもない

新興国など、物価の上昇が激しく、不動産の値上がりが期待される場合は、キャピタルゲイン投資が向くと思います。

キャピタルゲイン投資には何が重要か?

キャピタルゲインは、取得価格以上で、売却することができれば、その差額が収益となります。
一定の投資効果を得るには、比較的、不動産価格の上昇率が高いエリアなどから安く仕入れたり、リフォーム等による付加価値を上げたりできる土地勘やノウハウが必要です。

短期売買の場合は、借入金の利息などで、収益が影響を受けるため、少なくとも借入金の金利以上の不動産価格上昇率と、購入手続にかかる諸費用を、上回る額で売却する必要があります。
ホノルル不動産業者協会によれば、1985年からの売買価格の平均は、5%前後の上昇率で推移しており、右肩上がりの上昇傾向が続いているため、まずまずの市場だと考えられます。

キャピタルゲイン収益の計算方法は、下記のようになります。

キャピタルゲイン収益=物件売却額-(物件購入価格+諸費用+税金)

インカムゲイン投資では何が重要か?

インカムゲインは、取得価格の他、賃貸を行うための各種費用を負担しながら、定期的な賃料収入により、投資資金を回収していきます。
投資資金をすべて回収するためには、10年以上の長期期間で運用を実施する必要があります。

基本的には、毎年継続的に賃貸収入から運用経費を差し引きプラスのキャッシュフローとなるように、投資を行うことが重要です。
運用という言葉を使った理由は、継続的にプラスのキャッシュフローとなるように、内装をきれいに維持したり、空室を避けるよう営業活動を行ったり、様々な活動が必要となるからです。
後述する不動産投資の減価償却費用を経費としてうまく活用することで、キャピタルゲイン投資にない節税効果を上げることができる可能性があります。

インカムゲイン収益の計算方法は、下記のようになります。

インカムゲイン収益(概算)=(単年度の賃貸収入-運用経費)×運用年数

短期宿泊の運用時は、ホノルルのホテル稼働率85%程度が参考になると思います。
6ヶ月以上の賃貸では、空室の期間をいかに少なくするかがポイントになります。
ただし、数部屋などの小規模では、一定期間の収入がない場合のリスクも考える必要があります。

不動産投資に欠かせないハワイ物件の購入について

キャピタルゲイン投資、インカムゲイン投資ともに 、不動産がなければ、始まりませんので、まずハワイでの不動産購入の流れについて、見ていきましょう。

基本的には、下記の14項目の流れとなります。
日本の不動産売買と違って、ポイントになりそうなところは、少し補足して説明していきたいと思います。

<ハワイ不動産投資の流れ>
1) エージェントを決める
2) 候補物件を決める
3) 内覧し、購入物件を決める
4) 売買契約を合意(エスクロー口座開設)
5) 手付金支払い(通常1%程度)
6) 家屋調査(基本的には、売り手が行う)
7) 家屋調査状況の承認
8) 追加手付金支払い
9) ローンの承認を受ける
10) 最終物件確認
11) 公証手続
12) 残金支払い
13) 名義変更登録
14) 物件最終点検(ファイナルウォークスルー)

ハワイ物件の購入では、エージェントが大事

エージェント米国では、売主、買主ともにエージェントを通じて交渉を行うことが一般的です。
エージェントは、顧客(売主や買主)の利益最大化のための交渉をする役目であり、エージェントの善し悪しが投資に影響するといっても過言ではありません。

注意しなければいけないのは、米国のエージェントは、フリーランスのように自費で活動を行っているため、同一の物件で、複数のエージェントを使うことは 、マナー違反になるようです。
日本では、不動産屋さんで扱う物件の違いがある場合もあり、物件で、不動産屋さんを選ぶ場合も多いと思います。

物件情報は、MLSというデータベースに登録され、どのエージェントを選んだとしても、物件情報の違いはありません。
そのため、まず自分の欲しい物件の目星をつけ、日本語ができて、自分の投資目的にあう物件を得意とするエージェントを探すことがおすすめです。

日本語を話すことのできるエージェントも多くいますが、賃貸に関するエリアや物件種別の動向に詳しくない場合や、後で説明をしますが、投資による節税などの知識がない場合も あり得えます。
不具合発生時の交渉の成功可否など、エージェントの能力によるところが大きいですし、顧客の利益最大化のために尽力してくれるかも、人柄によるところが大きいため、実際に話をしてみて、信頼できるエージェントを、見つけることがハワイ不動産投資では重要になってきます。
>参考記事:ハワイ不動産取引の重要なパートナー!不動産エージェントとは?

日本と異なる不動産売買1(エスクロー開設)

売買契約に合意すると、売主、買主ともに 、エスクロー開設を行う必要があります。
これは、エスクロー会社と呼ばれる第三者が、支払い完了から不動産の名義変更登記が完了するまで、中立的な立場で監視し、取引の安全を担保する仕組みです。
費用は、取引額の1%〜2%程度で、売主買主双方で負担することになります。

エスクロー会社は、所有者の履歴や所有権を主張する第三者がないかなどの不動産の名義調査 のレポートを作成します。
アメリカでは、不動産の権利を保障する保険としてタイトル保険(名義保険)があり、名義調査でわからなかったリスク(購入後に名義を主張する第三者に敗訴し、土地の権利を失ったり、抵当権が設定され、本来の目的に使えない場合等)に対して、購入代金を保証してもらうことができます。

このタイトル保険についても、エスクロー会社が提供します。
保険料は、物件価格に比例し、数百ドルから数千ドルになることもあるようです。
>参考記事:エスクローの仕組みや役割とはなにか?

日本と異なる不動産売買2(家屋調査)

海が近く、シロアリ被害の影響も大きいため、家屋調査(インスペクション)、特にシロアリ調査は、欠かせないものとなっています。
売主側の費用負担ですが、検査官は、買主が指定することができるようです。
通常は、オファーを出した後は、無条件の解約は難しいのですが、家屋調査の結果次第では、不具合の修正要求や、補修費の要求、損傷が激しい場合による 無条件でのキャンセルなどの交渉を、エージェントを通じて行うことができます。

日本と異なる不動産売買3(ローン手続き)

アメリカでは、不動産エージェントが融資付けを行うことは多くなく、ローンオフィサーという融資斡旋を職業とする人とやり取りをする必要があります。
ローンオフィサーからローン承認の証として、プレクオリフィケーションレターが発行してもらえます。
基本的には、収益性や返済比率に基づいて融資判断が行われ、海外居住者となる日本人向けの利率は、4.5%超と、現地の居住者より数%高くなっています。

日本居住者向けのローンについては、ハワイの銀行で取り扱っていたとの情報もありますが、最近は、一部でローンが下りないなどの情報もあり、注意が必要です。
まずは、日本の銀行のローン(融資)の状況をご紹介します。
ハワイの銀行でのローンについては、ハワイの銀行口座開設から後半の方で詳しくご紹介します。

ハワイ不動産へ融資する日本の銀行
参考:https://ja.sekaiproperty.com/article/2621/hawaii-property-loan

西京銀行が、唯一、海外の不動産を担保に融資を行うローンを取り扱っていましたが、現在は取り扱いを中止しているようです。

日本政策金融公庫は、企業の海外展開を目的とした融資として、ハワイの物件でも認められるようです。
この場合の 利用規定 では、日本で不動産投資を行っていることを求められる可能性があります。
利率は要件により変わりますが、2%台から可能なようです。
最大7200万円となります。

参考:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaigaitenkai.html

オリックス銀行では、自身の国内にある不動産を担保(担保とする不動産の所在地、種類に制約)として、不動産担保ローンを設定することができ、その用途として、海外不動産の購入費用に充てることができます。(5年固定3.5%程度)

参考:https://www.orixbank.co.jp/personal/mortgage/

日本と異なる不動産売買4(最終書類の署名と公証手続き)

ハワイで不動産を購入した場合、最終的には、州機関に名義書が登記されます。
この書面は、エスクロー会社が準備し、公証人の面前で署名し、エスクロー会社が登記を行います。

売却時に注意が必要な売主情報開示書の作成

売主は、所有物件の知りうる事実を、すべて開示する義務を負っており、その内容を開示するものが、売主情報開示書となります。
これには、用途地域や物件の修繕履歴、月々の管理費、大規模修繕に関する徴収金の有無など、重要な情報が記載されています。

購入時に必ず確認が必要であると同時に、売却時は、ご自身で開示書を作成する必要があります。
不備があった場合は、訴訟等のリスクもあるため注意しましょう。

ハワイの銀行口座開設について

不動産投資をする場合は、ローン、税金、エージェント費用等の各種支払いや、家賃収入の受け取り等、ハワイの米ドル建ての銀行口座が必要となります。
現地の銀行口座開設について、実例をもとにご説明します。

通常は、米国の他の州では、海外居住者に対して、口座開設を認めないことの方が多いのですが、ハワイでは、日本に住む日本人に対して、口座開設を認めています。
米国の口座を持てる、またとないチャンスでもあります。

ハワイの銀行では日本人の場合、パスポートをもっていれば、その場で口座開設ができます。
ワイキキのロイヤルハワイアンセンター近くに今回取り上げる銀行の支店がありますので、日本語のできる担当者をお願いすれば、日本語で口座開設ができます。

ただし、現地の銀行での手続は簡単ですが、モバイルバンキングの利用を開始するまでに、携帯電話のショートメッセージによる認証など、いくつかの手続が必要となります。
キャッシュカードも日本の住所に送られたものを受け取ってから、アクティベーションが終わるまで利用できませんので注意しましょう。

ハワイの銀行口座の基本

ハワイの銀行口座の基本的な情報を下記にまとめます。

・預金通帳はなし。
・原則、口座維持手数料がある。(チェッキングアカウントでインターネットを介した銀行からの通知を受けることや、最低預け入れ額の条件を満たした場合は免除。)
・口座名義として、個人名義だけでなく、夫婦共同名義も可。
・日本居住者であることの証明(W-8BENの提出)が必要。
・銀行カードは、郵送で送られてからアクティベートと呼ばれる処理が必要。
・オンラインバンキングも、携帯電話のショートメッセージ等によるセキュリティコードを受け取った後に、利用開始の登録が必要。
・ATMへの入金はATM操作をし、備え付け封筒に現金を入れ投函する。
・事務処理ミスが結構多い。(オンラインバンギングのIDのスペルミス、ショートメッセージの携帯電話番号が国際扱い+81となっていないなど )
・モバイルバンキング、銀行カードの定期的な利用が必要で、半年もしくは1年など、一定期間のうちに利用実績がないと、利用休止扱いになる。
・口座の利用がないと、休眠口座扱いになり、利用再開時に手数料が必要。

口座の種類について

口座の種類は、以下のようになっており、それぞれ利用目的が異なります。
個人名義、夫婦共有名義などを作成することができます。

当座預金(チェッキングアカウント)

カードからの引き落としや、各種支払いなどに利用する口座です。
利息は原則つきません。
一部の要件を満たすと、口座維持手数料が無料になる場合があります。

デビットカード付きのカードが発行され、米ドルの預金があれば、手数料なしで支払いを済ませることができます。
口座開設時には、100ドル程度の一定の資金を入れる必要がありますが、口座開設後は、最低預け入れ額などの制限はありません。

普通預金(セービングアカウント)

当座預金との違いは、最低預け入れ額を維持する必要があり、下回ると口座維持手数料が発生するところです。
残高に対して、少しですが利息が付きます。

定期預金(CD:Certificate of Deposit)

日本の定期預金と同じです。
現在のレートは、1.3%程度であり、日本の定期預金のレートより高い金利がついています。

5年程度の長期の定期預金を作成し、利息受取口座を、前述の当座預金や普通預金にすることで、口座残高が変動し、休眠口座となることを避けることができる場合があります。
不動産を購入する前に、事前に開設する場合は、うまく活用しましょう。

ハワイの銀行におけるローン(融資)の種類について

ローンハワイの不動産購入で利用できるローンは、主に3種類あります。

レジデンシャルローン(居住用物件ローン)

ハワイにおける一般的な住宅ローンで、最大30年までの期間で、融資対象が居住用物件となります。
コンドミニアムなどの区分所有や、戸建て、また、4戸までの集合住宅も対象となります。

お店などの商業物件はNGです。
日本の住宅ローンとは異なり、投資用でも利用可能です。
居住用の要件は、フルキッチンが完備され、一定の大きさを満たす必要があります。

頭金としては、物件価格の40%〜50%を求められることが一般的なようです。
基本的には、現地で英語での契約となるため、時間もかかりますし、現地滞在費用も見込む必要があります。

2017年以降、日本人(日本居住者)向けの居住物件ローンの審査が厳しくなったとの情報もあり、物件購入の際は、ローンオフィサー等を通じて、最新情報の確認が必要だと思います。

コマーシャルローン(商業ローン)

5戸以上の一棟物件を購入する場合は、このタイプのローンになります。
一般的に、手付金の5割近くを求められ、返済期間も5〜10年の短期間となります。

お手頃な価格のスタジオタイプでは、フルキッチンではないため、レジデンシャルローンが使えず、コマーシャルローンを組む必要があります。

エクイティーローン(担保提供ローン)

ハワイに1年以上所有の不動産を持つ方が、不動産の融資可能枠(物件評価額から当該物件ローン残高を引いた残存資産額)を、担保に対して一定額の借り入れができるローンです。
信用枠として一定期間決めることで、期間内ならいつでもお金が引き出せる仕組みです。

ハワイの代表的な銀行について

ハワイの代表的な銀行を2行紹介します。
私も口座開設の実績があり、日本語のできる行員がいたおかげで 、日本語だけで口座開設できました。

ファーストハワイアンバンク(FHB)

ハワイの銀行の中でも 歴史のある大手の銀行です。
日本語のホームページもあり、ワイキキのロイヤルハワイアンセンターの隣に、支店があり、旅行の際に気軽に立ち寄れます。

基本的に日本語のできる行員がおり、親切に対応してくれます。
グアムやサイパンにも支店があります。

定期預金については、3年定期1.3%、最低預け入れ額1万ドルとなったようです。
私も、口座を持っており、今年の1月時点では5,000ドルで、5年定期の継続ができたのですが、少しずつ条件が変わってきているようです。
最新の情報はホームページや現地で確認してください。

日本人向けに住宅購入用の融資を実施しています。
少し古い情報ですが、固定金利タイプで、3.5%〜4%(15年固定、2017年10月)、4%〜5%(30年固定、2017年10月)*1であり、1年前より利率は上がっていると思います。

ハワイ在住の一般向けレートは、4.25%(2018年9月、30年固定)*2でした。
日本人向けはこれよりは、確実に高くなると思います。

参考(*1):https://bihi.jp/3945
参考(*2):https://www.fhb.com/en/rates/mortgage/

バンクオブハワイ(BOH)

FHBとともに、ハワイで大手の金融機関です。
グアムやサイパン、パラオにも支店があります。

前述の定期預金(5年定期 年率1.25%最低金額2,500ドル)が開設できます。
2018年5月にSMBC信託銀行との業務提携を発表しました。

ハワイを訪れる日本人向けに、セカンドハウスの購入や不動産投資、生活資金の決済ニーズに合わせ、連携していくとの発表のため、今後新しい動きが出てくることを期待したいところです。
以下で後述しますが、更に、一定の条件を満たす場合は、ハワイ不動産投資によって以下のメリットも見込むことができます。

不動産投資における節税メリットとは

不動産投資において 、物件を購入すると、固定資産として、土地評価額と建物評価額にわけて、財産として評価(管理)することになります。
建物については、建物が使えなくなると、収益を上げることができなくなるため、将来的にまとまった金額で建物を再取得することができるよう、一定額を費用として計上し、収益から差し引くことで、税負担を軽くすることが可能となります。

一般的には、減価償却費とよばれ、建物を再取得するための内部留保を、目的として認められるものです。
あくまで、再投資に将来的に使うお金を準備することが目的なので、お金は一切出ていかず、利益から控除されることになります。

一般の給与所得者は、自らの労働として収入を得るためには、一律で決められた金額以外には、ほとんど費用を認められません。
しかし、不動産を貸して得た不動産収入がある場合には、確定申告によって不動産収入の利益に対して課税されると同時に、不動産収入を得るために必要な費用も認められることになります。

一般の給与所得者は、給与収入と不動産収入を合算で申告し、税金を納めます。
不動産所得の経費が不動産収入を上回る場合は、給与所得の課税額を減額し、納税額を再計算することで、不動産購入前の税額より低い税額を納めることが可能となります。
あくまで、税金を払っている額から、一部が還付されることになります。

節税メリットの具体例

鉄筋コンクリート製の建物は、47年、木造の建物は 22年の期間で、建て替えると仮定しており、この建物を建て替えるまで使用する期間を、耐用年数と定義しています。
47年未満の中古物件は、以下の耐用年数(償却期間)の計算式に基づき、耐用年数を計算します。
例えば、築30年のコンクリート造の物件は、計算すると23年の耐用年数(減価償却期間)となります。

耐用年数と減価償却費の計算方法は、下記のようになります。

耐用年数=(法廷耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2
減価償却費=建物の取得額(評価額)/耐用年数

この耐用年数の計算式に当てはめると以下のようになります。

築30年のコンクリート造の 物件の耐用年数の計算方法
耐用年数=(47年-30年)+30年×0.2=17+6=23

コンクリート造47年、木造22年を超えた物件は、それぞれ9年、4年で減価償却できます。

例えば、以下のようなハワイコンドミニアムに投資したと仮定しましょう。

・築48年コンクリート造
・物件価格3000万円(建物評価額は、物件価格の80%)

その場合の減価償却費は、以下の金額になります。(耐用年数は9年)

3000万円×0.8÷9=266.6万円

9年間に渡り約267万円の費用が計上できます。

ハワイのコンドミニアムは、2%〜3%程度の利益といわれますが、2%と仮定して、60万円の利益を上記の266.6万円の減価償却費と相殺し、207万円程度の赤字として確定申告することになります。
この場合、原則、赤字のため、60万円の収入に対して、所得税、住民税を日本で、支払う必要はありません。

更に、個人所有で、不動産収入、および費用を申告し、課税所得が900万円を超える税率が 、33%だった場合は所得収入から207万円が減額され、収入が207万円ほど低いものとして再計算できるため、所得税、住民税などが返ってくる場合があります。
日本の所得税は、累進課税といって、課税所得が多くなればなるほど、税率が上がる仕組みのため、税率30%以上の高所得者で、税率が高い人ほどその節税メリットが大きいといわれています。

課税所得とは

課税所得とは、所得税、住民税の計算の基礎となる金額です。
個人投資家など、給与所得がある個人が、不動産所得で赤字となった場合は、損益通算の対象となり、給与から得る収入と不動産所得の赤字が相殺され、課税所得が低く抑えられます。

課税所得の計算式は以下のようになります。

課税所得=給与所得(給与収入−各種控除)+(事業所得、不動産所得等)
※雑所得の場合は、給与所得と損益通算の対象外

ただし、最近は、ホテルコンドミニアムの収入を不動産所得とみなさないとする税務署の見解がでており、雑所得と見なされる事例があるなど、厳しくなっています。
雑所得の場合は、給与所得と損益通算ができず、節税効果が得られません。
節税のみを目的とした投資は、避けた方がいいと思います。

本来の減価償却の考え方は、更に不動産を増やすなど、投資額を大きくし、不動産事業を拡大するためのキャッシュフローを生み出す仕組みです。
最新の法律を確認した上で、検討していきたいとところです。

ハワイ不動産投資(キャピタルゲイン投資)にかかる費用の考え方

税金日本人が日本に居住し、ハワイの物件を売買した場合、日米租税条約があるため、アメリカ、日本それぞれで課税し、重複する部分を確定申告により取り戻すという作業が必要となります。
そのため、売買に伴う税金については、日本の税金とアメリカ(ハワイ)の税金の両方について計算を行います。

日本の不動産売却については、5年以上保有した場合に、所得税、住民税の税率が軽減されるため、5年以上保有の場合と、5年未満保有の場合の2パターンについて考えていきましょう。

不動産売却にかかる税金

5年以上保有

日本:所得税15%、住民税5%(売却益に対して)
ハワイ(源泉徴収税):20%(連邦税15%、州税5%)(売却額に対して)

※ハワイでは、売却額に対して一律に課せられた税金が源泉徴収され、後日の確定申告で、売却益が出ていない場合や、売却益より多い場合に返還されることになります。
売却時の連邦税(源泉徴収)は、買主自身が居住する場合は、売却額で0%〜15%まで変わりますが、投資用物件では一律15%となります。

5年未満

5年未満の場合、日本の所得税、住民税が大きく変わります。(税率UP)
日本:所得税30%、住民税9%(売却益に対して)
ハワイ(源泉徴収税):(連邦税15%、州税5%) (売却額に対して)

※調べた限り、ハワイでは、保有期間が短くなることで、源泉徴収税の違いはないようです。

キャピタルゲイン税について

最終的には、源泉徴収税とキャピタルゲイン税の差額が、確定申告で返ってくることになります。

キャピタルゲイン税:売却益に下記の利率で課税(1年以上不動産を所有の場合)
個人:連邦0%−23.8%、ハワイ州7.25%
法人:連邦 同上、ハワイ州 4%
参考:http://fukushimacpa.com/fudousanzeimu.html

日本でも不動産売却益に関して所得税がかかりますが、アメリカとの日米租税条約により、二重課税を避けるため、一定額の控除があります。
そのためには、日本とアメリカの双方に確定申告が必要となります。

また、キャピタルゲインを現金とするのではなく、不動産の買い換えを行った場合は、事業用不動産の買い換え特例が適用されます。
20%の税金が0.4%まで圧縮され、より資産価値の高い物件に投資するなど、資産の積み上げ効果が期待できます。
日本の不動産においても、同様の特例はありますが、複雑なため、割愛します。

ハワイ州譲渡税(ハワイ): 0.1%〜1.25%(売却額に対して)

売却手数料について

一般的な不動産の売却手数料は、売主負担となります。
米国は6%ぐらいのようです。
タイムシュアなどの特殊な不動産は、20%程度の手数料を取る場合もあるため、これはどの程度になるか確認が必要です。

売主時は不動産購入の流れで説明したように、家屋調査費用が1%程度、エスクロー費用として、1%〜3%程度が必要となります。
不動産エージェント費用は、売主側、買主側それぞれ3%ずつ、総額6%程度を売主が負担します。

買い換えを前提とした場合、建物評価額の比率が高いことは、デメリットとなる場合があります。
建物評価額が下がるということは、売却時の資産価値が下がることになるため、購入金額と同じ金額で売却した時でも、下がった分の資産価値との差額(減価償却費相当)が利益と見なされます。

売却益の計算を下記にまとめます。

売却益=売却価格-購入価格-各種手数料+減価償却費

キャピタルゲイン投資の算定例について

※下記のキャピタルゲインの投資の算定は、あくまで、調査した情報を元に参考として計算しました。
実際の投資を行う場合は専門家に相談してください。

節税メリットの計算で前提にした物件と同じ条件で考えていきましょう。

・築48年コンクリート造のコンドミニアム
・物件価格3000万円(建物評価額は、物件価格の80%、耐用年数は9年)

1年あたりの減価償却費:3000万円×0.8÷9=266.6万円

・上記の物件を3000万円で購入し、7年間保有。4000万円で売却(年5%の値上がりで7年間35%価格上昇と仮定)

売却益 約1000万円
(エージェント費用6%) 4000×0.06=240万円
(エスクロー費用1%) 4000×0.01=40万円
(家屋調査、その他諸費用1%) 4000×0.01=40万円
(源泉徴収税20%) 4000×0.2=800万円
1000万円−240万円−40万円−40万円−800万円=▲120万円
※損益=約▲120万円(赤字)

実際には、ハワイで確定申告を行い、キャピタルゲイン税を考慮しないと利益がでないことになります。
※キャピタルゲイン税は、利率が不明ですが、連邦税15%と、ハワイ州7.25%と仮定します。

4000-3000+減価償却分266.7×7=2866.7(万円)
2866.7×(15+7.25)=637.8
(源泉徴収税額とキャピタルゲイン税の差分 800−637.8=137.2)
約137.2万円が還付され、やっと収支均衡となります。

概ね売却時にかかる費用だけを考えても、28%程度のコストがかかっていますので、単純にキャピタルゲインを狙う投資では、30%以上の値上がりが必要と考えていいでしょう。

短期で、安い物件を手に入れて、内装等を施し、高額で売却した場合は、上記の計算の他に経費として計上することができますが、7年の間に賃貸経営をする上で、既に申告した経費は、売却時の経費としては使えません。
基本的には、賃貸期間での収益化と売却時の収益を別に捉えて、両方合わせて収益が上がるように投資を行う必要があるでしょう。

ハワイ不動産投資(インカムゲイン投資)にかかる費用、収入の考え方

インカムゲインについては、短期宿泊で高利用率を維持するのか、長期賃貸を行うかなどで、収入の考え方や、各種税金、保険料など、複雑なため、モデルでの算定は諦めました。
感覚的には、日本のワンルームマンションなどの平均表面利回りが4〜5%程度なので、客付けが難しいとすぐに持ち出し(赤字)の可能性もあると思います。
おそらくその水準と同程度と考えた方がいいでしょう。

表面利回りでは、購入時のローン金利や税金などが更にかかってくるため、数%程度は利回りが下落すると思います。
日本人向けに情報提供している不動産エージェントであれば、概ねの賃料収入や客付けまでの平均期間など、データをもっていることが多いです。

参考:日本のマンション利益率 https://mansionkeiei.jp/column/28784
参考:ワイキキ賃料相場(長期賃貸)https://family-hawaii.net/blog/?p=6516
参考:賃貸リスク等 https://family-hawaii.net/blog/?p=5995

購入後のリフォームや家具の買い換え、その他、運用費用は、以下の書籍を参考にしています。
投資を行う際に、どのような項目が必要なのか、 目安にしてください。

「憧れの“ハワイ”の物件を買って、賃貸収入で「優雅な人生」!」
天方エバン著 ごま書房新社

・ハワイでのフルリフォーム(4万〜5万ドルぐらい)
・家具の購入費用

スタジオ:9千ドル〜1万2千ドル
1ベッド:1万ドル〜1万3千ドル
2ベッド:1万2千ドル〜1万3千ドル

・その他、備品の購入費用
調理器額、食器、タオルやシーツなどリネン、バスルーム用グッズ、清掃用具、洗剤、アイロン等(2千ドル〜3千ドル)

・保険(括弧内は、補償額)
アセスメント保険(2万ドル)
大家さん保険(5000ドル)
来訪者などけがに対する保険(5000ドル)
ハリケーン保険(5000ドル)
→支払い額は年550ドルぐらい

固定資産税
事業税:4.712%(GET)
ホテル税:9.25%(TAT)
→事業用途 レジデンシャルA:6倍、ホテル&リゾート:12.9倍

不動産管理料
長期賃貸(6ヶ月以上):賃料の10%程度
短期賃貸:1日以上6ヶ月未満、賃料の20%〜25%
ホテルコンド:50%程度

ハワイ不動産投資(海外投資)における為替差益メリットとは

海外資産を持つ場合に共通して言えることですが、海外通貨と日本円は、為替によって日々変動しており、換金時点の為替レートで、日本円での換算額が異なってきます。
海外不動産投資において、多くの皆さんは、円建てで投資するために、投資時点で米ドルを取得した時点のドル円レートより、有利な円安時に日本円に換金することで、日本円ベースで収益を積み増すことができます。

1978年以降の直近30年間での為替変動率は、最大34%、中央値20%となっており、国内の不動産収益率 4.5%〜6.1%程度(※日本不動産研究所 第36回不動産投資家調査2017年4月)であり、為替差益の影響(年間最大20%)で投資収益率(例:6%)よりはるかに為替差益の影響が大きいといえます。

参考:日本不動産研究所第36回不動産投資家調査2017年4月 http://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2017/05/97da1b947e307ba6d1a3bb5e310f95a8.pdf

最後に

ハワイ不動産投資について、調べてみましたが、意外とインターネットだけの情報だとわからないことも多々ありました。
また、実際に、不動産投資を始めた場合は、アメリカにおける納税等の処理と、日本における納税処理などで 、かなり負担が大きくなる印象です。
やはり最後は、不動産エージェントなどに投資目的と運用経費見積もり例などを相談していただければと思います。

ハワイ不動産投資は難しいとの印象をお持ちになった方も多いと思いますが、実際に行っている人は、キャピタルゲイン、インカムゲインのみならず、節税効果、外貨資産をもつリスク分散なども考え、投資判断をされていると思います。

実際にこの記事が、皆さんのハワイに不動産を持ちたいという夢の実現に、どのような効果があるかを確認する意味で、役立てていただければうれしい限りです。
ハワイ不動産投資で、日本でもハワイでも優雅な生活を目指したいものですね。
マハロ。

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