バス

ハワイは鉄道が通っていないため、近距離ならば徒歩か自転車、遠距離ならば自動車やバスを使うことが一般的です。
地元に住んでいる方はもちろんですが、観光で訪れた方、長期滞在される方もバスを利用することで、移動のコストを下げることができます。

今回はハワイ州でのバスについて徹底的に解説します。

ハワイ州のバス概要

前述の通り、ハワイのそれぞれの島の中での移動は、バスの利用が有力な選択肢となります。
まずは簡単にハワイ州のバス事情について紹介します。

ハワイの島のうち、いわゆる時刻表に従って運行される路線バスが存在するのは、オアフ島、ハワイ島、マウイ島、カウアイ島の4島です。
その中でも、オアフ島は特にバス路線が島内の主要地域全域に発達していて、ホノルル周辺だけなく、島の北部や西部など、遠方に出かける際もバスを利用することが可能です。

他の3島は島内の移動の自由度を担保したい場合は、居住者なら自家用車を持つか、旅行者ならレンタカーか、お金はかかりますがハイヤーのチャーターなどがおすすめされるところですが、都市部や一部地域についてはバスが運営されております。オアフ島については日本で言うところの公営が民営化した企業が運営し、他の3島については島の公共団体が運営している、いわゆるコミュニティバスとなっております。

それでは次からはそれぞれの島に分けて、バス事情を説明していきます。

オアフ島のバス事情

まずはオアフ島のバス事情について紹介します。

オアフ島のバスは「オアフ・トランジット・バスサービシズ」という企業が運営しております。
これは昔のホノルル市長が立ち上げた企業ですが、現在ではオアフ島全域で路線バスを展開しております。

日本で言う「民営化した会社」が運営しております。
こちらの運営するバスが「The Bus」と呼ばれていて、オアフ島の路線バス=The Busと認識しておくと良いです。

運営路線と路線の確認方法

ハワイ州のメインの島であるオアフ島は、人口も多いため、多くのバス路線が展開されております。
現在はオアフ島全域に107路線が展開されており、市民の主要な移動手段として広く普及しております。

従って、ここで全ての路線を紹介するのは難しいです。
後半で代表的な路線を紹介しますが、その前に「目的地に行く場合に合った路線の確認方法」を紹介しておきます。

The Busは日本の路線バスと同じように運行路線・停留所・時刻が予め決まっております。
しかし、日本と違うのは、停留所に時刻表がありません。

また運行路線は路線番号が表記されているのみで、行き先も予め路線番号ごとの行き先を覚えていない限りわかりません。
停留所についても日本のように地名や施設名が付与されておらず、番号で識別されておりますので、初めて利用する場合は注意が必要です。

地元の人はどうしているかと言うと、実はThe Busの様々な情報が調べられるアプリがあるので、それを利用しています。
それが「Da Bus」というアプリです。

現在は「Da Bus 2」に進化していて、日本語対応バージョンもあります。
このアプリを使えば、現在地周辺のバス停や、バスの運行時刻や運行状況を確認することや、目的地に行く場合の利用路線を調べることができます。

【参考】※外部サイト
iOSデバイス向け
androidデバイス向け

また、もう少しやり慣れたものを利用したいという方は、「Google map」を利用するのも1つの手です。
日本で利用する時と同じように、現在地、目的地を入力し、到着か出発の時刻を入力すれば、簡単に自分が乗るべきバスを見つけることができます。

おすすめ路線の紹介

107路線もあるのでThe Busの全ての路線を説明することはできません。
そこで、バス利用が便利な出発地と目的地、利用路線についていくつか絞って紹介します。

まずは「ワイキキ〜アラモアナ」です。
これはオアフ島内の中心地ということもあり、非常に多くの路線が走っています。

8・19・20・23・42という路線が、この双方の地域を通っております。
早朝〜夜間以外は5分間隔でどれかしらが来るので、非常に利便性は高いです。

ワイキキ側はクヒオ通り沿いに多数のバス停があり、アラモアナ側はアラモアナセンターを囲うようにバス停があります。
所要時間は概ね20〜30分程度です。

次に「ダイヤモンドヘッド〜ワイキキ」も比較的バス利用での移動が便利です。
2と23路線がワイキキからダイヤモンドヘッドの火口付近まで行きます。

2路線が10〜15分間隔、23路線が50分間隔で運行しています。
ワイキキ側はこちらもクヒオ通り沿いでバスに乗れます。

ダイヤモンドヘッド側は2路線の場合は、終点の4538バス停、23路線の場合は241バス停が、火口に向かう遊歩道の近くまで行きます。
相対的には241の方が近いです。
こちらは意外に近く、10分もあれば到着できます。

3つ目は、ちょっと遠出して「ノースショア〜アラモアナ」を紹介します。
アラモアナ〜ワイキキは先に説明しているので、乗り換えることでワイキキからノースショアへ行くこともできます。

これは52・55路線で行き来できます。
それぞれ平日が30分間隔、休日が40分間隔で運行されています。

バス停は52路線が1313、55路線が425となっております。
いずれもアラモアナショッピングセンターの北西側になります。

ノースショア側はどちらの路線もカメハメハハイウェイ沿いにバス停が並んでおります。
所要時間は島を縦断するということもあり、長時間となり、100分程度は見ておいた方がいいです。

料金や乗り方のポイントなど

続いて料金や乗り方のポイントを説明します。
まず、1回あたりの料金は大人の場合、どこまで乗っても2.75ドルです。
6〜17歳(以下子供料金と表現します)が1.25ドルで、6歳未満は大人一人につき一人まで無料、二人以上連れる場合は、二人目からは子供料金になります。

その他、その日のうちなら何回でも乗ることができる1day passが大人なら5.5ドル、子供なら2.5ドルです。
6歳未満の取り扱いは1回の料金と同じです。
その他定期券があり、1ヶ月が70ドル(子供は35ドル)、1年が770ドル(同385ドル)で、これは当該期間島内の全ての路線に乗ることができる定期券です。

次に乗降方法ですが、バスはみんな前乗り、後ろ降りとなります。
乗った際に運転手に料金を支払います。

支払いは現金のみで、かつお釣りが出ないので、この点は注意が必要です。
また運転手に「1day pass」と告げれば、1day passもその場で購入することが可能です。

続いて降りる際ですが、バスの側面には紐がかかっており、これを引っ張ると、次の停留所で降りるサインとなります。
運転手が認識して次の停留所で止まる場合は、「Stop requested」と、バスの前の方の電光掲示板に表示されます。
また降りる時はバスの後ろ側の扉からおりますが、ドア中央の縦に配置されている灰色のバーを自分で押す必要があります。

なお、新型車ではありますが、停留所のアナウンスは、ストリート名や停留所名(数字)のみのため、初心者には意味が分かりづらいです。
自分でGoogleなどを見ながら降りる場所を判断する必要があるので注意が必要です。

その他の留意が必要なルールとして、荷物は「膝に乗るくらいのサイズまで」を元に定められた、55cm×35cm×22cmの荷物までしか持ち込めません。
実際はこのルールの適用はアバウトなようで、結構大きな荷物を持ち込んでいる人も見受けられますが、トラブルの元になるので、ルールを守ることをおすすめします。
また、ベビーカーはこの寸法によらず、折りたためば持ち込み可能です。

また飲食は禁止なだけでなく、飲食物を持ち込む際は密閉していなければならないので注意が必要です。

以上が、4島の中で最もバスが発達しているオアフ島のバスの紹介でした。

マウイ島のバス事情

続いてマウイ島のバス事情について紹介します。
マウイ島のバスは「The Maui Bua」と呼ばれており、マウイ島の自治体によって運営されているものです。
オアフ島の「The Bus」より大分規模は、小さくなるものの、オアフ島以外の3島ではもっとも利便性が確保されており、また、地元の通勤客、観光客双方が利用可能なルート設定となっております。

運行路線について

マウイバスの運行路線は、一般客用の「Maui Public Transit System」が14系統12路線(カフルイ・ワイルク、それぞれの循環便が内回り・外回りで別系統扱いのため)運行されており、マウイの中心都市であり、空港も隣接しているカフルイを拠点に、島の各方面へバスが走っています。
島の東部は山間部なのでバスの運行がありませんが、それ以外の主要地域は、バスでアクセスできるようになっています。

利便性の高いルート例

#10 Kihei Islander:カフルイ-キヘイ-ワイレア

カフルイから南部へ向かう路線。キヘイにはショッピングセンターの「ピイラニ村ショッピングセンター」があり、南海岸を通るバスと乗り換えも可能です。
概ね1時間に1本の間隔で運行されています。

#20 Lahaina Islander:カフルイ-ラハイナ

カフルイから島の南西部を海岸沿いに進むルートです。
西部の拠点、ラハイナまで行くことができます。ラハイナからはさらに西海岸沿いを進むバスへの乗り換えも可能です。
こちらも1時間に1本程度の間隔で運行されています。

また、この他、通勤用のバス路線、「Maui Bus Commuter Service」もあります。
こちらはカフルイ発着や、途中立ち寄るルートが3つと、南部〜西部の沿岸部をなぞるルートの計4系統があります。
ただこちらは地元住民の通勤用ですし、朝と夕方に1本ずつ設定があるのみなので、注意が必要です。

料金や乗り方のポイントなど

続いて料金ですが、こちらは1回あたり2ドルとなっております。
いわゆる子供料金はなく、3歳以上は皆この料金がかかります。

また、一人につき2歳以下の幼児一人が無料ですが、座る際は大人の膝の上に乗せなければならず、また2人以上いる場合は、2人目以降は普通の料金がかかります。
その他、1dayパスがあり、4ドルで購入できます。他の島のバス同様、バスで料金を払う際は、現金のみでお釣りはでないので注意が必要です。

その他、1ヶ月パスがあります。
他の島同様に、一度購入すると島内のバスが1ヶ月間乗り放題になるものですが、購入日にかかわらず、毎月1日から月末が期限となるので注意が必要です。

また、各月分は前月の25日〜当月の10日まで購入可能で、一般料金が40ドルです。
こちらは学生料金・シニア料金(55歳以上)があり、それぞれ30ドル、25ドルとなります。
ちなみに1day、1ヶ月パスはバス車内、マウイモール内、ワーフ・シネマ・センター管理事務所で購入可能です。

乗り方・降り方は概ねオアフ島と同じで、前乗り・先払い・後ろ降りです。
また止まってもらうときは、バス側面にあるロープを引いて運転手に知らせます。

荷物の制限ですが、55cm×35cm×22cm以内で、座る場合は膝に乗せることが要件となっています。
ベビーカーは折りたたんで乗車可能です。
また、座る場合はシートベルトを着用しなければなりません。

オアフ島と比較すると、利便性は落ちますが、それでも島内の主要地域に1時間1本程度の運行がありますし、非常に安価に移動できますので、地元居住者はもちろん、観光客も是非利用してみることをおすすめします。

ハワイ島のバス事情

続いてはハワイ島ですが、オアフ島ほどはバス路線は発達しておりませんが、主要地域には路線バスが運行されております。
ハワイ島の路線バスは、「へレオンバス」と呼ばれており、これはハワイ州が運営している「コミュニティバス」にあたるものです。
オアフ島と比較すると、運行路線は限られておりますが、一律料金で格安で利用できる点は、地元住民も観光客にも魅力です。

運行路線について

ハワイ島の「へレオンバス」は、全部で19路線運行されております。
概ね島の海岸沿いを取り囲んでおり、沿岸部の移動には概ね利用可能です。
また、ハワイ島最大都市になるヒロについては、市内を循環する系統もあります。

比較的メジャーな路線としては、東のヒロと西の拠点であるコナを結ぶ路線、「コナ・ヒロ路線」や、島の代表的な観光地である火山帯に行ける、「火山・ヒロ路線」があります。
オアフ島と違い、路線は全て、始発・終着の地名で表現されているので、この点は比較的わかりやすいです。

「火山・ヒロ路線」は、ヒロ〜火山国立公園までで75分程度です。
1日5往復と、オアフ島と比較すると、本数はかなり少なくなるので注意が必要です。

一方、「コナ・ヒロ路線」も3本のみで、コナ市内、ヒロ市内、いずれも停留所がバスによって微妙に異なるので注意が必要です。
どの停留所で乗り降りするかで大分時間は変わりますが、最短でも2〜3時間は見ておく必要があります。

このように路線は19と複数あるものの、オアフ島と比較してかなり本数が少ない点は、注意が必要です。
ヒロ中心地や空港を通るヒロ市内線でも、1日8本程度しかありません。
また、日曜日が運休となる路線も多いので、特に観光客は注意が必要です。

料金や乗り方のポイントなど

続いて料金や乗り方のポイントを説明します。
料金は1回2ドルで、一つのバス路線であれば、どこまででも同一料金ですし、1回だけ乗り換えが可能です。

乗り換えの場合はバスの運転手に申告します。
また2時間以内に乗り換える必要があるので、閑散とした路線の場合は注意が必要です。

また、学生・子供料金は、州内に在住の人だけが適用されます。
こちらは1ドルで、5才〜学生に料金が適用されますが、学生の場合は学生証の提示が必要です。

乗り換えが一回できるシステムは、大人と同様です。
また、身分証明書提示により、60歳以上についても1ドルで利用可能です。

荷物については、25cm×40cmを超えない場合は、通常料金のままで持ち込み可で、超える場合は1ドルを追加で支払えば、持ち込み可能となります。
また、観光客の場合、火山国立公園で降りる場合は、国立公園の入園料8ドルを、ドライバーに支払う仕組みとなっております。

次に乗降方法ですが、オアフ島同様に前乗り・後ろ降りとなります。
乗った際に運転手に料金を支払います。
支払いは現金のみで、お釣りが出ないのもオアフ島と同様です。

また、1回の乗り換え、「トランスファー」は、この時にチケットをもらい、次のバスに乗る時にこのチケットを渡します。
降りる際ですが、こちらもロープで合図するオアフ島と同じシステムとなっております。
また、飲食禁止である点もオアフ島と同様です。

ハワイ島のバスは運行路線が多い一方で、それぞれの便数が非常に少ない点がネックです。
特に不慣れな観光客の場合は、運行時刻に充分注意して利用しましょう。

カウアイ島のバス事情

続いてはカウアイ島のバスについて紹介します。
カウアイ島も自治体が運営している路線バスがあり、そのまま「ザ・カウアイバス」と呼ばれております。
基本的に観光向けではなく、地元の通勤、通学用の足となっていますが、路線は西側を除き、沿岸部の主要地域を結んでいます。

運行路線について

まずは、カウアイバスの運行路線について紹介します。
カウアイ島は6万人程度しかいない人口の少ない島ですが、それでもバス路線は6つあり、地元民の貴重な交通手段となっております。
山間部に当たる北西部以外は、島の沿岸部を囲むように路線が展開されております。

•ケカハ線:リフエ〜ワイメア〜ケカハ
•リフエ線:リフエ循環(リフエ空港に停車)
•ワイルア線:リフエ〜ワイルア〜カパア
•ハナレイ線:リフエ〜プリンスヴィル〜ハナレイ
•コロア線:カラヘオ〜コロア〜ポイプ
•カパア・カパヒ線:カパア〜カパヒ

ワイルア線以外は比較的本数に恵まれていて、概ね1時間に一本ずつあります。
例外はワイルア線で、こちらはなぜか2.5往復しかないので注意が必要です。

また、カパア・カパヒ線以外は、町の玄関口で空港もあるリフエを通過しますので、観光地はもちろん、居住する場合でもリフエを拠点とするのが便利です。
リフエからであれば、山間部以外は沿岸部であれば、だいたいバスで行くことが可能です。

料金や乗り方のポイントなど

続いては料金や乗車する上での注意点などを紹介します。
まず料金については、大人は1回乗車するたびに、距離に関係なく2ドルです。

子供については7歳〜18歳が半額1ドルです。
18歳程度で年齢が微妙な場合は身分証明書を求められる場合もあります。

また、60歳以上は無料となりますが、こちらは身分証明書が必須となります。
6歳未満については人数に限らず無料となります。

その他、路線に限らず利用できる、いわゆるフリーパスがあり、1ヶ月が40ドル、1年が400ドルとなります。
フリーパスはカウアイ島のオフィスや、リフエのショッピングモールで購入可能です。

バス停でなければ降車できないのは当然ですが、時刻表にO/Cとなっているのは、「On call」の略称です。
「On call」が必要な一部のバス停では、あらかじめ、カウアイバスのオフィスに連絡しておく必要があります。
降りる停留所は運転手に告げて止まる必要がありますが、O/Cは停車することがまれな閑散とした停留所なので、乗る際に運転手に再確認しておくことが無難です。

また荷物は24cm×43cm×76cmまで持ち込むことが可能です。
その他、折り畳むことでベビーカーは持ち込み可能です。

ボディーボードやウクレレは、なぜか持ち込み可能ですが、サーフボードは持ち込み禁止です。
その他、他の島のバス同様、飲食禁止で、また音楽プレーヤーで音を出すのも禁止です。

カウアイ島は6万人程度しか島民がいない割には、バス路線がしっかり維持されていて、リフエら各方面へ1時間に1本程度運行があります。
住民となれば貴重な移動手段となることは言うまでもありませんが、観光客でも安価に移動できるので、使ってみるのも一つの手です。

今回の記事ではハワイ州の主要4島のバスについて紹介しました。
オアフ島については非常にバス路線が発達していますので、安価な移動手段として重宝しますし、他の島でも主要地域間の移動であれば、充分利用価値があります。
目的地と路線がうまくかみ合うようであれば、是非利用してみることをおすすめします。

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