オアフ島既存住宅戸建て&コンドミニアムの販売価格の推移:2000年~2020年11月
11月の戸建ての中間価格は872,500ドルで、前年同月比9.8%の増加になりました。これは最高値を記録した9月の880,000ドルに続く価格です。戸建てが販売されてから成約するまでの日数(DOM:Days on Market)は、10月と同じく10日でした。販売可能な物件数も、10月同様わずか1.8ヶ月分しかありません。
一方、コンドミニアムの中間価格は420,000ドルで、前年同月比1.2%増になり、底値を記録した5月の399,000ドルからパンデミック前の数字に戻ってきました。DOMは前年同月の26日から38.5%も短縮されて16日になりました。販売戸数は407戸で、前年をまだ6.2%下回っています。在庫数は3.8ヶ月分と少ないままです。
オアフ島のマーケットを1月から11月までの通年で見てみると、戸建ての価格は822,000ドルで前年比4.7%増、販売戸数は3,418戸で前年0.7%減とほぼ前年並みでした。DOMは14日で、前年の23日から39.1%も大幅に短縮しました。
コンドの価格は43,000ドルで、前年比1.2%増でしたが、販売戸数は4,192ユニットで、前年比15.8%の減少になりました。パンデミックによる生活習慣の変化が販売に影響しているのかもしれません。
販売価格に対する成約価格の割合は戸建てが100%、コンドが99%で、通年でもそれぞれ99.1%、98.1%増加しており、パンデミックの影響は全く受けていません。
ハワイ州各群のコンドミニアム中間価格の推移:2008年~2020年11月
各島のコンドミニアムの年間の中間価格の推移を表したものです。グレーの帯の部分は、前回のグレートリセッションの時期を表しています。
表を見てもお分かりのように、他島は大きく値崩れしましたが、オアフ島はピーク時の337,300ドルから277,700ドルにわずかに17.8%減少しただけで、早期に回復しています。
今年の11月には、2011年には、2011年のボトム(底値)時から151.62%も価格が上昇しました。
他島のピーク時とボトム時の価格は、
ハワイ島:$515,000→$155,000=-60.9%
カウアイ島:$695,000→$144,500=-79.21%
マウイ島:$805,000→$265,000=-60.08%
オアフ島:$337,300→$277,000=-17.8%
ボトム時→11月の価格
ハワイ島:$155,000→$447,000=+288.71%
カウアイ島:$144,500→$700,000=484.43%
マウイ島:$265,000→$518,520=+195.67%
オアフ島:$277,000→$420,000=+151.62%
オアフ島はリセッションなどの影響を受けにくく、安定的な環境にあることが分かります。
オアフ島の戸建て中間価格、DOM&販売日数:2018年~2020年11月
表は、青が戸建ての販売価格、ピンクが販売から成約までの日数、黄色が販売価格に対する成約価格の比率(LTS:List Price to Sold Price Ratio)を表しています。
黄色のLTSは、表では上下に大きく振れているように見えますが、実際にはどの月も販売価格の96%以上の金額で成約しており、ここ数ヶ月は満額で成約しています。
オアフ島の戸建て販売価格は、周期的な上下運動を繰り返しますが、11月872,500ドルで9月に続いて2番目に高い価格になりました。
オアフ島の戸建て住宅は、米国ではサンノゼ、サンフランシスコに次いで3番目に価格が高い場所もあります。
ここ数年、全米でも販売可能な物件数(在庫数:inventory)が極端に不足していると報道されています。オアフ島はまさにその極端な例で、戸建ての在庫数は10月の時点で1.8ヶ月分しかありません。
米国では、在庫数は5~6か月分ある状態で市場が順調に回っているといわれ、9か月分以上になるとリセッションの可能性があります。逆に4ヶ月未満では、市場は好調と判断されます。現在のように2ヶ月前後では明らかに売り手市場になり、市場は好調と判断されます。
オアフ島のコンドミニアム中間価格&販売戸数:2018年~2020年11月
表は、2018年から2020年11月までを追った4つの統計です。1つは月間販売戸数(グレーの地に赤枠:棒グラフ)、2つ目は中間価格(白:折れ線グラフ)、3つ目が全体に占めるコンドミニアム販売の割合(オレンジ:折れ線グラフ)、そして4つ目が年間の中間価格(黒丸)と価格の推移(赤線)です。
この3年間を年間ベースで見ると、価格は2018年の405,000ドルに5.91%上昇しています。販売戸数はパンデミック禍の3月の底値から徐々に回復していますが、通年では前年比15.8%の減少です。しかし、11月のペンディングセールス(成約件数:Pending Sales)は前年同月比で10.2%増加しており、さらなる回復が期待できます。
全米では、販売全体に占めるコンドの割合は10%程度で、あくまでも戸建てが中心のマーケットです。オアフ島はコンドの販売数が過半数を占める米国でも稀な市場で、平均すると55%前後になります。米国の中ではとてもユニークなマーケットで、戸建ての価格上昇をうまくカバーしています。