右肩上がり

REALTORS®のホノルル支所がリリースした記事によると、2019年1月のオアフ島の不動産市場において、在庫水準の増加が確認されております。
これは戸建て、コンドミニアム双方で観測されておりますが、その在庫の増加は適正なレベルで、市場関係者には好意的に受け止められております。

この記事は、Multiple Listing Service(MLS)によって電子的に集計された、ホノルルのリアルター(米国の不動産の仲介業者)の売買データを基に作成されています。

【各種指標の概要と3か月の推移】

戸建て販売

販売物件数 販売価格中央値
件数 前月比 前年同月比 価格 前月比 前年同月比
2018年11月 288 -6.8% -13.3% $797,000 -0.4% +3.0%
2018年12月 259 -10.1% -28.3% $788,000 -1.1% +5.1%
2019年1月 246 -5.0% -2.4% $767,500 -2.6% -0.6%

コンドミニアムの転売

販売物件数 販売価格中央値
件数 前月比 前年同月比 価格 前月比 前年同月比
2018年11月 429 -3.2% -14.4% $420,000 +7.7% +3.7%
2018年12月 440 +2.6% -4.6% $398,000 -5.2% -1.6%
2019年1月 326 -25.9% -12.8% $399,000 +0.3% -7.2%

1月の住宅価格の中央値を見ると、戸建ては前年同月比で0.6%の小幅な下落でした。
一方コンドミニアムは、前年同月比で7.2%と、比較的大きく下落しましたが、前年の1月のコンドミニアムの価格中央値が史上最高値だったことを考慮に入れる必要があります。
依然$400,000付近を保っていることから、市場関係者の間では価格は安定しているとみられております。

尚、取引件数は戸建てで前年同月比-2.4%、コンドミニアムで同じく-12.4%と、前年同月比でみても下落しており、取引件数は、例年少ない1月であることを考慮しても少なかったとみられております。
この影響で、戸建ての新規在庫が21.8%、コンドミニアムが18.8%と、それぞれ昨年1月より増加しております。
尚、物件が在庫として市場に並ぶまでの日数は戸建て、コンドミニアム、共に27日でした。

足元3か月で見てみると、季節性要因もあって取引件数の減少が際立っております。
戸建ては10月以降連続して取引件数が前月比で下落しておりますし、コンドミニアムでは前月比25%以上も下落しました。

但し、価格は大きく動いていないこともあり、市場関係者の中では「在庫増加の好機」とみられており、特段問題視はされていないようです。
価格については、戸建ては前月比-2.6%と、小幅下落したものの、コンドミニアムはほぼ横ばいの$399,000です。
いずれも「変動幅は小さい」とみられており、価格安定が印象付けられております。

1月のオアフ島不動産販売の状況について、REALTORS®のホノルル支所長Darryl Machaは以下のように総括しました。

「今年はこの1月から適切に新規在庫が増加している。これは、潜在的な購入検討者にとって選択肢が増えていて好ましい傾向だ。
近年はこうした在庫増加の傾向は、春~夏にかけて起こる現象だったが、今年は早いタイミングで在庫が増加し、需給バランスが安定することが期待される」

参考:http://www.hicentral.com/mpr/mpr-2019-01.php (英語)

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